2018 Fiscal Year Research-status Report
前障の情報統合における脳領域間協調的神経活動の制御
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18K14856
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
雨宮 誠一朗 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (20796015)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前障 |
Outline of Annual Research Achievements |
前障は脳の広範な領域と相互に神経接続し、それら接続先の脳領域の活動を協調的に調節することで脳高次機能を調節していると考えられているが、前障の機能は明らかとなっていない。本研究では、前障の投射ニューロンでCreを発現するトランスジェニックマウス(Cla-Creマウス)を用いて、前障による他の脳領域の調節の観点から、前障の機能を明らかとすることを目的としている。本年度は、前障が関与する行動実験課題について、前障の神経活動をDREADD(designer receptors exclusively activated by designer drugs)法により操作することで検討した。実験では、Cla-Creマウスの前障ニューロン特異的にGi-DREADDを発現させ、その人口リガンドの投与により前障の神経活動を抑制し、2選択肢弁別課題への影響を検討した。その結果、前障の神経活動の抑制により、2選択肢弁別課題の成績の低下が見られ、その低下は報酬条件の変化後や2選択肢の弁別難易度が高い条件で顕著になることを見いだした。本年度は、上記の行動科学的検討に加え、行動課題中のマウスから電気生理学的に神経活動記録を行う実験環境整備も進めた。具体的には、神経活動記録用多電極ドライブの作成とその埋め込み手術の設備および、行動課題と電気生理的神経活動記録を同時に実施する設備を構築した。現在、前障との接続がある皮質領域や上述の弁別課題に関与する海馬から神経活動が記録できることを確認できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題遂行中マウスから神経活動を記録する実験環境は整ったものの、マウスが行動課題を遂行できるようになるまでのトレーニング期間が当初の想定以上にかかっており、電気生理学的神経活動記録実験が当初の予定よりも若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に構築した実験環境を用いて、弁別課題遂行中のマウスの皮質および海馬からの電気生理学的神経活動記録と前障の神経活動の抑制を同時に行い、前障の神経活動の抑制が皮質や海馬の神経活動へ及ぼす影響を検討する。前障の神経活動の操作にはDREADD法を用いる。場合によっては、行動課題を再考し、実験に要する期間の短縮を図る。
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Causes of Carryover |
マウスの行動実験のトレーニングに想定以上の時間を要したことに起因する計画の遅延があり、本年度に予定していた物品の購入が遅れているために未使用額が発生した。また、データ取得と解析の遅れにより学会への参加を見送ったため、旅費についても未使用となっている。繰越した予算については、翌年度に当初予定していた物品購入および学会参加の旅費に使用する。翌年度の予算についても当初の予定どおり実施する。
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