2020 Fiscal Year Research-status Report
非コードRNAを含有する新規核内構造体による熱ストレス応答遺伝子の発現機構の解明
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18K14899
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野口 玲菜 (水谷玲菜) 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (30780697)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核内構造体 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱ストレスへ正常に応答することは生物の生存において重要であり、熱ストレスへの応答異常は神経変性疾患やがんなど様々な疾患の原因の一端となっている。 申請者はこれまでに長鎖非コードRNAに着目して、ストレス応答機構について研究を行ってきた。その過程で、通常は核スペックルと呼ばれる核内構造体に局在 化している長鎖非コードRNA, MALAT1が熱ストレスに応答して新規核内構造体(MALAT1含有新規核内構造体と命名)に局在変化するという新しい現象を発見した。本研究では、MALAT1含有新規核内構造体を介した遺伝子発現の制御機構を解明し、熱ストレス応答におけるこの構造体の生理的意義を明らかにすることを目的とした。昨年度までに取得した、網羅的にオープンクロマチン領域を同定する手法であるATAC-seq解析のデータを詳細に解析した結果、MALAT1依存的に変化する熱応答性のオープンクロマチン領域が同定された。このことはMALAT1が熱ストレス時にクロマチン構造の制御に関与することを示唆している。しかしながら、想定以上に広範なゲノム領域において変化が見られたため、定量的な解析によりATAC-seq解析の結果を解釈する必要があると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の解析の結果により従来の方法ではなく、定量的にATAC-seq解析を行う必要があると判断した。追加の解析を予定しているが、当初の研究計画に追加して行った実験がまだ完了していないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
定量的ATAC-seqの解析結果と昨年度までに得られた他の解析結果を統合的に解析し、検証実験を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で、試薬の納品に想定以上に時間が要したため、本年度中に実験を開始することが難しかったため。使用計画としては定量的ATAC-seq解析・並びにその検証実験を予定している。
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Research Products
(3 results)