2018 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤耐性インフルエンザウイルスの蛍光可視化による簡便・迅速な検査法の開発
Project/Area Number |
18K14905
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
紅林 佑希 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (90751983)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / 薬剤耐性 / シアリダーゼ / 蛍光プローブ / イメージング / BTP3-Neu5Ac |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では研究代表者らが独自に開発した蛍光プローブを用いることで、薬剤耐性インフルエンザウイルスを迅速かつ簡便に検出する方法の開発を目指した。研究代表者らはこれまでにシアリダーゼの蛍光イメージングプローブBTP3-Neu5Acを開発し、インフルエンザウイルスのシアリダーゼ活性を蛍光イメージングすることでウイルスの簡易蛍光検出する技術や、抗インフルエンザ薬であるシアリダーゼ阻害剤に対し薬剤耐性を示すウイルスを選択的に蛍光イメージングする技術を開発してきた。本研究では薬剤耐性インフルエンザウイルスの臨床診断や衛生検査で利用可能な迅速かつ高感度な検出法の確立を目指し、蛍光プローブや蛍光イメージング技術の改良を行った。蛍光プローブによるウイルス検出の反応条件の最適化を行い、スピンカラムを利用したウイルス簡易濃縮法を開発したことで、ウイルス検出反応の感度向上を達成した。検出感度は市販のインフルエンザ検出キットと同等の感度を達成した。開発した高感度検出条件によって臨床ウイルス株を用いて薬剤耐性ウイルスの検出・判定が可能であることを確認した。改良型蛍光プローブの開発を行い、蛍光イメージングの精度と感度を向上させた改良型プローブの作製に成功した。BTP3-Neu5Acは蛍光イメージングの際に、蛍光体が反応後にやや拡散していくことが分かっていたが、改良型プローブでは蛍光顕微鏡による観察においてもほぼ拡散が起こらなくなるレベルで蛍光体の拡散を抑えることに成功し、極めて高精度な蛍光イメージングが可能となった。蛍光体の構造を改良したことで蛍光体の蛍光強度の増大を達成することができ、蛍光プローブの高感度化に成功した。本検出技術は高感度かつ簡便に薬剤耐性インフルエンザウイルスを検出できることから、今後の衛生検査や臨床診断、基礎研究を含む幅広い分野で利用される技術となることが期待される。
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Remarks |
「本研究課題に関連した受賞」:日本糖質学会第20回ポスター賞「シアリダーゼ蛍光プローブを用いた薬剤耐性インフルエンザウイルスの検出・分離法の開発」
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Research Products
(44 results)