2019 Fiscal Year Annual Research Report
Feasibility study of antibody-drug conjugates against tissue factor
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18K14931
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
津村 遼 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 研究員 (90785586)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗体 / 組織因子 / 腫瘍間質 / DDS / 抗体抗がん剤複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
【実施内容】マウス膵がん皮下腫瘍モデルにおいて、maleimide based conjugation(MC)とbis-alkylating conjugation(bisAlk)の2種類のリンカーを用いて作製した抗mouse TF(mTF)ADCの投与実験を実施した。その結果、抗mTF-ADC(20 mg/kg)はcontrol ADCと比較して有意な腫瘍増殖抑制効果を認めたが、リンカーの違いによる治療効果の差は見られなかった。一方、投与量を10 mg/kgとした結果、抗mTF-ADC(bisAlk)はDPBSと比較して有意な腫瘍増殖抑制効果を認めた一方、抗mTF-ADC(MC)では見られなかった。 マウス膵がん同所移植モデルにおいて、control ADC及びMMAE単剤と比較して、抗mTF ADC(bisAlk)は有意に腫瘍増殖を抑制し、同モデルの生存期間を有意に延長した。 上記全ての検討でマウスの体重減少は見られなかった。 治療後の腫瘍を用いて免疫組織染色を行った結果、control ADCと比較して抗mTF ADC(bisAlk)を投与した腫瘍では、mTF及びCD31の発現量が低下した。この結果から、抗mTF ADCはmTF陽性のがん細胞と腫瘍血管内皮細胞に障害を与えた可能性が示唆された。 【意義、重要性】本成果により、抗TF ADCでは、既存のMCリンカーよりもbisAlkリンカーの方が有用である事、がん細胞だけでなく腫瘍血管内皮細胞も標的としうる事を示した。また、mTFを標的としたADCの初の報告となり、同ADC投与が体重減少に影響しないことも示した。これらの知見は、抗TF ADCを開発する上で重要な知見であり、現在臨床試験が進行中のtisotumab vedotin(抗TF ADC)の改良型ADCを提案すると共に、抗TF ADCの新たな作用機序を示した。
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Research Products
(5 results)