2021 Fiscal Year Annual Research Report
Combination study of the optimal crude drugs to prevent interstitial pneumonia with Scutellaria Root-containing Kampo formulae
Project/Area Number |
18K14937
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
大嶋 直浩 国立医薬品食品衛生研究所, 生活衛生化学部, 研究員 (30757133)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オウゴン / 肝細胞毒性 / バイカリン / トランスポーター / 生薬の組み合わせ |
Outline of Annual Research Achievements |
オウゴンは強力な抗炎症作用を示すため臨床で汎用される漢方処方に配合されているが、重篤な間質性肺炎や肝機能障害を引き起こすことがあるため注意を要する生薬である。本研究は、オウゴンの副作用軽減策を提案するため、オウゴンに別の生薬を配合し、成分の抽出量や肺・肝毒性の変動を評価している。昨年度はバイカリンの抽出量を増減させる生薬の組み合わせやバイカリンの肝細胞毒性を明らかにした。今年度も引き続き配合実験や毒性機序に関するデータを集積した。 生薬を配合する際のオウゴン由来フラボノイドの抽出量変化については、ベルベリン等を含むオウバクやオウレン、硫酸カルシウムを含むセッコウの各組み合わせでオウゴン由来バイカリン量が減少し、ハンゲやショウキョウの各組み合わせでバイカリン量が増加した。各組み合わせのエキスをヒト肝がん由来細胞株HepG2に添加したところ、単独では肝細胞毒性を示さなかったサイシンもしくはショウキョウの各組み合わせでバイカリン量では説明できない肝細胞毒性が現れた。 毒性機序については、HepG2に胆汁排泄トランスポーターMRP2の選択的阻害剤MK571を前添加した結果、バイカリンの肝細胞毒性が増強した。加えて、細胞内バイカリン濃度も増加したことから、バイカリンが主にMRP2を介して細胞外へ排出され、その阻害がバイカリンの肝細胞毒性増強の要因であることが明らかになった。MRP2が発現されていないイヌ腎臓尿細管上皮細胞由来MDCKについても検討したところ、同濃度のバイカリン添加でHepG2細胞株より強い毒性が現れたことからこの考察を支持した。他方、ヒト肺胞基底上皮細胞膜A549ではMK571の有無に関わらず肝細胞株よりも強い毒性を示した。
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Research Products
(1 results)