2018 Fiscal Year Research-status Report
BMP/Smadシグナル制御に着目した天然資源からの新規骨形成促進薬の網羅的探索
Project/Area Number |
18K14938
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
矢作 忠弘 日本大学, 薬学部, 助教 (40632766)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨粗しょう症 / BMP/Smadシグナル / ミャンマー / 千葉 / 薬用植物 / 生薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然資源からの新規骨形成促進薬の網羅的な探索を行うために、初年度は各種エキスライブラリーを用いてスクリーニングを中心に検討を行った。 1) ミャンマー産薬用植物エキスライブラリーの抽出エキス700種および千葉県エキスライブラリーの抽出エキス50種について、骨形成に深く関与する細胞内シグナルであるBMP/Smadシグナルへの影響をみるために、Smad結合配列の下流にホタルルシフェラーゼが導入されたプラスミドをHEK293細胞にトランスフェクションし、ルシフェラーゼレポーターアッセイを行った。その結果、ポジティブコントロールであるTGF-β (終濃度 0.1 ng/mL)のSmad活性化より強い活性を示したものが、ミャンマー産薬用植物エキスライブラリーより29サンプルあった。トウダイグサ科やクワ科の植物に多く活性が認められたが、特にイワタバコ科の植物の一種に強い活性が認められた。 2) ミャンマー産薬用植物エキスライブラリーの抽出エキス400種において、骨芽細胞3T3-E1を用いた骨芽細胞分化促進活性試験を行った結果、トウダイグサ科Euphorbia属やクワ科Ficus属などの12サンプルについて分化促進活性が認められた。 今後は、両方で活性の認められたサンプルについて活性成分の探索や作用機序の検討を行っていく予定である。さらにin vivoによる評価系を構築し、骨への直接的な影響の検討を可能としたい。また、スクリーニング対象植物を増加させるために、フィールドワークを実施してエキスライブラリーを構築し、1)および2)のアッセイにてスクリーニングを行っていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は、天然薬物のスクリーニングを中心に行い、骨形成促進作用およにBMP/Smadシグナルを活性化する生薬・薬用植物の探索を行った。いくつかのシーズとなり得る候補植物を見出すことができたが、途中CO2インキュベーターのトラブルなどもあり、予定していたサンプル数 (ミャンマー薬用植物700検体、千葉県産ライブラリー50検体)について、両方の活性試験を行うことができなかった。まだスクリーニングできていない検体については、引き続き検討を行い次年度の早い段階で達成したい。これらのことから「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の計画で予定していたが遂行することができなかった一部のスクリーニングに関しては、速やかに検討していきたい。さらに、フィールドワークを実施することで新たにエキスライブラリーを構築し対象検体を増やすことを計画している。活性の認められた薬用植物については、活性成分の探索や作用機序の解明を行っていきたい。また、in vivoによる評価系を構築し、骨への直接的な影響を検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成30年度の未利用額は、スクリーニングを実施できなかった検体分の試薬代である。そのため、スクリーニングの増加にかかる試薬代として次年度の使用額と合わせて使用する。
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