2019 Fiscal Year Research-status Report
BMP/Smadシグナル制御に着目した天然資源からの新規骨形成促進薬の網羅的探索
Project/Area Number |
18K14938
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
矢作 忠弘 日本大学, 薬学部, 助教 (40632766)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨粗しょう症 / BMP/Smadシグナル / ミャンマー / 沖縄 / 奄美大島 / 琉球弧 / 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨形成促進薬の探索を行うために、昨年度のスクリーニング結果より見出した植物の活性成分探索と研究対象を広げるためにエキスライブラリーの新規構築を行った。 1) 2018年に実施したレポーターアッセイにより活性のあった29サンプルのうち、2種の植物についてレポーターアッセイを指標にした成分探索を行った。その結果、ケシ科の植物より3種の化合物を単離し、構造決定を行い活性を評価したが、活性本体の単離には至っていない。引き続き成分探索を試みるが、抽出した元の植物量が少ないため、難航している。幸運なことに本学薬用植物園に植栽のある植物のため、次年度栽培するものを収穫し、改めて成分探索する計画を立てている。もう一種の植物に関しても現在成分探索を進めている。 2) 天然資源からの新規骨形成促進薬の網羅的な探索を行うために、新たにエキスライブラリーの構築を行った。具体的には、本州と植生も異なりあまり研究対象となされていない沖縄や奄美大島などのいわゆる『琉球弧』と呼ばれるエリアにおいてフィールドワークを実施し、沖縄①(2019年5月実施)にて336種、奄美大島 (2019年8月)にて331種、沖縄② (2019年10月)にて242種の植物を研究協力者と現地ガイドとともに採取し、これらを部位ごとに分けた後、80%メタノールで抽出することにより1533種のエキスライブラリーを構築した。これらについてもスクリーニングを実施し、骨形成促進作用を有する植物を見出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R1年度は、レポーターアッセイにて活性の認められたミャンマー植物に対して活性成分の探索を行ってきたが、いくつかの化合物(イソキノリン系アルカロイドなど)を単離したものの、活性本体にはたどりついていない。そのため引き続き分離精製を行っていく予定である。 また、研究対象を増やすために新たにエキスライブラリー(1533種)を構築したことから、それらのスクリーニングが未実施のものもあるため、次年度に早急に対応したい。これらのことから「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
骨形成のin vivoによる評価系の準備を進めており、既に本学の臨床研究における倫理審査委員会の承認は得ているため、早急に実施していく。また、構築したエキスライブラリー (1533種) についてスクリーニングを実施し、活性の認められた植物については現地でのサンプル採集も行いたいと考えている。成分探索を現在行っているもので、活性成分を見出したものに関しては、作用機序の解明も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
R1年度の未使用額は、スクリーニング用の試薬代である。新たにエキスライブラリーを構築したため、次年度にスクリーニングの増加が見込まれるため、次年度の研究経費と合わせて使用する。
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