2020 Fiscal Year Research-status Report
BMP/Smadシグナル制御に着目した天然資源からの新規骨形成促進薬の網羅的探索
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18K14938
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
矢作 忠弘 日本大学, 薬学部, 助教 (40632766)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨粗しょう症 / BMP/Smadシグナル / ミャンマー / 沖縄 / 奄美大島 / 琉球弧 / 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
R2年度は、HEK細胞にSmadの転写認識配列を導入したレポーターアッセイを用いたスクリーニングにより活性を見出したミャンマー植物の活性成分探索と、新たに構築したエキスライブラリーについてスクリーニング評価を中心に行った。
1) 2018年に実施したレポーターアッセイにより活性のあったミャンマー植物 (Oroxylum属)について、レポーターアッセイを指標にした成分探索を行った。80%メタノールで得られた植物エキスをヘキサン、クロロホルム、酢酸エチルおよびブタノールで常法により分配抽出し、得られた各画分について活性評価を行ったところ、酢酸エチル画分に活性が認められた。そのため、酢酸エチル画分について各種クロマトグラフィーを用いて分離精製を行った。その結果、5種のフラボノイド (chrysin、scutellarein、oroxylin A、apigenin、Luteolin) を単離し、各種機器分析法により構造を同定した。これらのsmad活性について評価したところ、chrysinやoroxylin Aにsmad活性が認められた。今後、これらの化合物について3T3-E1細胞を用いた骨芽細胞分化活性試験を行う予定である。
2) 沖縄や奄美大島の植物環境調査を行うことにより作製した琉球弧エキスライブラリー(1533種)についてスクリーニングを行った。その結果、26種の植物についてSmad活性が認められた。これらの植物についても活性成分の探索をするために、現地で植物を採取することで量を確保し、骨形成促進作用を有する成分の同定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ミャンマー植物についての活性成分探索は化合物の単離・同定まで終え、Smad活性を認めることを確認したが、骨芽細胞への影響は検討できていない。また、琉球弧エキスライブラリーの植物についてスクリーニングを行ったが、活性を有する植物の確保がR2年度中は叶わなかったため、まだ成分探索が実施できていない。このことから「遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ミャンマー植物2種より、イソキノリン系アルカロイドやフラボノイドなどのいくつかの活性成分を単離したため、これらの3T3-E1細胞を用いた骨芽細胞分化活性試験による評価を早急に行う。活性を見出した琉球弧植物については、素材を確保後にただちに活性成分の探索に着手する。
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Causes of Carryover |
化合物レベルでまだ評価のできていない3T3-E1細胞による骨芽細胞分化活性試験を実施するため。また、レポーターアッセイを用いたスクリーニングによって琉球弧の活性植物を見出したが、R2年度中に採集することができなかったため、研究費の一部を繰り越した。
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