2018 Fiscal Year Research-status Report
モノクローナル抗体を利用した香気性化合物の作用点の同定および革新的定量法の開発
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18K14943
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Research Institution | Daiichi University, College of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
小川 鶴洋 第一薬科大学, 薬学部, 助教 (40781646)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | モノクローナル抗体 / 摂食促進作用 / 香気性化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
香気性化合物の吸入投与による摂食促進作用の作用点と考えられる嗅覚受容体の特定を目指し、受容体のC末端領域に対する抗血清(ポリクローナル抗体)を鼻腔粘膜内に投与した。しかしながら、結果として有意な摂食促進作用の変化は観察されなかった。この要因の一つとして、鼻腔粘膜内への投与により出血が起こりやすく、抗体が血液と共に流出したことが考えられ、投与法が適切でなかった可能性がある。今後は出血などによる流出の少ない投与法で抗血清を投与して検討する予定である。 香気性化合物の定量化を目的とした抗香気性化合物モノクローナル抗体の作成は、免疫感作後のマウスの血清を競合的ELISA法で調査したところ、抗体価の上昇が確認された。今後はミエローマ細胞とマウスの脾臓細胞を融合させ、得られたハイブリドーマを培養し、ベンジルアセトンに対するモノクローナル抗体を産生する細胞株を確立させる予定である。 また、マウスより得られた血清は抗原として用いた3-phenylpropanoic acidよりもbenzylacetoneへの交差反応性が高いことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗血清の到着が遅くなり研究の進捗に影響を与えた。また、他研究室のクリーンベンチ等の環境が利用できなくなり、実験環境の整備に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
香気性化合物の吸入投与による摂食促進作用の作用点の同定のために用いる抗血清投与法を鼻腔内投与から麻酔をかけた上での頭蓋内(嗅球周辺)への投与に変更し、実施する予定である。 ハイブリドーマ作成は現在進行中であり、培養および系統の選別を行いまず抗香気性化合物モノクローナル抗体産生株の確立を目指す。その後、継代培養により得られた抗香気性化合物モノクローナル抗体を用いて空気中に蒸散した化合物量の定量化を目指す。
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Causes of Carryover |
抗血清など高価な物品が多く、残余金額ではこれ以上の進捗が難しいと判断した。 来年度は先述の研究計画の実施に加え、学会での発表等を実施しつつ研究を適切に進めていくことを目標とする。
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