2019 Fiscal Year Research-status Report
PK-PD-PGxに基づいた新規抗てんかん薬の個別化療法の確立
Project/Area Number |
18K14945
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
赤嶺 由美子 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (10814387)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 新規抗てんかん薬 / ペランパネル / CYP3A / 血中濃度 / 遺伝子多型 / TDM |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ペランパネルを中心にPK-PD-PGxに基づいた個別化療法の確立を目的に以下の研究を遂行した。研究実施計画に基づき,高速液体クロマトグラフィー法を用いて開発した新規ペランパネル血中濃度測定法を使用し,実臨床においてペランパネル服用患者の検体を定期的に収集し,血中濃度測定を実施した。本測定法にて得られた治療開始4週間後(定常状態時)のトラフ血中濃度とペランパネルの投与量との間に正の相関が認められたが,同一投与量での変動係数は大きく,個体間変動が大きい薬剤であることが示された。 そこで,これら血中濃度のばらつきの要因を明らかにすべく,ペランパネル血中濃度に影響を与える因子について検討を実施した。ペランパネル服用患者17名(年齢の中央値32歳)を対象とした。投与量で補正したトラフ血中濃度と年齢,体重,臨床検査値などについて単変量解析を実施したが,個体間変動の要因となる因子は観察されなかった。続いて,ペランパネルは主にCYP3A4/5で代謝されるため,薬物動態関連遺伝子多型としてCYP3A4*1G, CYP3A5*3を解析の対象とし検討を実施した。本検討により,CYP3A4ならびにCYP3A5遺伝子多型はペランパネル体内動態に影響を与えない可能性が示唆された。 一方,ラコサミドについても同様に,得られた血中濃度測定結果をもとに臨床効果ならびに副作用との関係,さらに遺伝子多型の及ぼす影響についてデータ解析を継続中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ペランパネルは一定数症例を集積することができたが,ラコサミドについては予定より症例が集まらず,やや遅れているが,定期的に症例の集積はできている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ペランパネルは一定数症例を集積することが出来たため,本研究の成果は現在論文に投稿中である。 ラコサミドについても症例を随時追加し,本年度内に論文としてまとめる予定である。
|
Causes of Carryover |
予定症例数を確保するために,想定以上に時間を要したため。来年度も随時症例を追加し,研究・解析を継続する。 研究費は主に,血中濃度測定ならびに遺伝子多型解析のために必要な消耗品,ならびに論文投稿時にかかる経費に使用する。具体的には血中濃度測定に必要な試薬・溶媒およびHPLC用分析カラムの購入,ならびに遺伝子多型解析に必要な制限酵素・プライマー等購入に充てる。さらに英文校正・論文投稿料等に使用する予定である。
|