2019 Fiscal Year Research-status Report
NADP(H)に着目した抗がん剤による日周リズムの維持・変動メカニズムの解明
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18K14947
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岡崎 史泰 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (20610348)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 時間薬理 / 体内時計 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
がん時間薬物療法は、抗がん剤の投薬時刻を設定することで効果を増大・副作用を軽減することを目的とした薬物療法であり、実験動物のみならず臨床試験においてもその有用性が確認されている。しかし抗がん剤により細胞周期や代謝酵素の日周リズムが変動し、時間薬物療法の有効性が減少することが指摘されている。そのため、抗がん剤投与による日周リズムの変動メカニズムを解明することは時間薬物療法を臨床で使用する上で重要なテーマである。本研究では、酸化還元ストレスが日周リズムに影響を与えることに着目し、抗がん剤投与による日周リズムの変動メカニズムを解明する。 2018年度は、スルファサラジンに既存の日周リズムが変動する投薬時刻・変動しない投与時刻が存在することを明らかにした。これにより、、スルファサラジンの抗腫瘍効果が増大する投薬時刻は、日周リズムが維持されていることを確認した。2019年度は、スルファサラジンが日周リズムを発振させるか明らかにすることを目的に研究を行った。申請時、培養細胞にスルファサラジンを暴露させ日周リズムが再構築されるかをqRT-PCRで評価する予定であったが、よりリアルタイムで評価できるルミノメーターを用いた測定も行うこととし、それに伴う安定発現株の作製した。この安定発現株の作成により、本研究テーマだけでなく他の薬剤が日周リズムを発信できるか、今後、網羅的に明らかにすることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度末、人事異動(教員3名から2名へ減少)に伴う、対象研究以外のエフォートの増大(講義・臨床前実習・薬局実習など)によって、当初の予定を超過した。 事由c:申請時、培養細胞にスルファサラジンを暴露させ日周リズムが再構築されるかをqRT-PCRで評価する予定であっ たが、よりリアルタイムで評価できるルミノメーターを用いた測定に変更とそれに伴う安定発現株の作製に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験1)酸化還元ストレスによる日周リズムの発振作用の解明:xCT阻害作用を持つスルファサラジンが時計遺伝子の発現量を一過性に変動させる効果のみであるのか、またはスルファサラジン自体が日周リズムを発振させる効果を持つかを解明するため、培養細胞にスルファサラジンを暴露し、qRT-PCR及びルミのメーターを用い日周リズムが発振されるか明らかにする。
実験2)スルファサラジン (xCT阻害) による日周リズムの変動メカニズムの解明:酸化還元ストレスによって、時計遺伝子応答配列に対する時計遺伝子の結合量が変動するため、その点に着目しスルファサラジンの投薬時刻によって既存の日周リズムが維持・変動するメカニズムを解明する。
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Causes of Carryover |
2018年度末、人事異動(教員3名から2名へ減少)に伴う、対象研究以外のエフォートの増大(講義・臨床前実 習・薬局実習など)によって、当初の予定を超過した。 実験1)酸化還元ストレスによる日周リズムの発振作用の解明:xCT阻害作用を持つスルファサラジンが時計遺伝子の発現量を一過性に変動させる効果のみであるのか、またはスルファサラジン自体が日周リズムを発振させる効果を持つかを解明するため、培養細胞にスルファサラジンを暴露し、日周リズムが発振されるか明らかにする。 実験2)スルファサラジン (xCT阻害) による日周リズムの変動メカニズムの解明:酸化還元ストレスによって、時計遺伝子応答配列に対する時計遺伝子の結合量が変動するため、その点に着目しスルファサラジンの投薬時刻によって既存の日周リズムが維持・変動するメカニズムを解明する。
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