2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K14960
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
茨木 ひさ子 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (50736444)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リポソーム / 経皮投与製剤 / DDS / アトピー性皮膚炎 / 経皮デリバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究により、正電荷・負電荷に関わらず絶対値の高い表面電荷をリポソームに付与することにより、皮内広範囲への効率的な経皮送達が可能であることを明らかにしている。令和元年度では、経皮送達性に優れたリポソーム特性の更なる探索を目的として、リポソームのCholesterol含有率ならびにPEG修飾率が経皮送達性に与える影響について評価した。
不飽和リン脂質DOPCを脂質ベースとして、CholesterolならびにDSPE-PEG2000の配合率(PEG修飾率)が異なるリポソームを各々調製した。ATTO647N-DOPEを用いて蛍光標識した各リポソームをマウス皮膚に塗布し、一定時間後の皮膚切片を共焦点レーザー顕微鏡により観察することでin vivo経皮送達性を評価した。その結果、Cholesterol含有率40 mol%のリポソームにおいて、皮内広範囲への高い送達性が認められた。PEG修飾率においては、健常皮膚では、PEG修飾率0 mol%のリポソームが高い経皮送達性を示した。一方で、テープストリップ法により角質層を除去した皮膚においては、PEG修飾率0 mol%のリポソームでは皮膚表面にのみ局在したのに対し、PEG修飾率10 mol%のリポソームでは皮内広範囲への蛍光分布が観察された。
以上のことから、リポソームのCholesterol含有率ならびにPEG修飾率が経皮送達性に影響を与えることを実証し、その最適化により経皮送達性が向上することを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の検討では、Cholesterol含有率ならびにPEG修飾率に焦点を当て、その経皮送達性への影響ならびに処方最適化を行うことができた。このことから、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに蓄積された結果を基に、経皮送達性を向上させるリポソームの物理的・表面特性を組み合わせた新規リポソームの脂質処方条件を設計・確立し、その有用性を検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
理由:研究計画はほぼ予定通り進んでおり、脂質類や実験動物、消耗品等について、無駄なく購入・使用することができたため。 計画:次年度計画を遂行するために必要となる脂質類、実験動物の購入、研究成果の発表のための出張費用、論文投稿費用としての使用を予定している。
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Research Products
(4 results)