2019 Fiscal Year Research-status Report
アカデミア創薬を目指したメロキシカムのパーキンソン病進行抑制メカニズムの解明
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18K14973
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
眞鍋 貴行 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60460698)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、計画①;メロキシカムによるMPP+誘導性神経細胞死抑制をキャンセルさせた阻害剤XとTのターゲットタンパク質AとBに対するsiRNA法によるタンパク質発現抑制の条件の検討をおこなった。計画②ターゲットタンパク質Aに対して、平成30年度に用いた阻害剤Xとは異なる分子骨格を持つ阻害剤Yを用いたMPP+誘発性細胞死の系(WST-8 法、LDH法)の検討を行った。計画③シグナル経路の詳細を明らかにするため、ターゲットタンパク質Aの下流シグナル分子の阻害剤を用いたMPP+誘発性細胞死の実験系(WST-8 法、LDH法)での検討を行った。 計画①;については、1本鎖 siRNAと脂質系トランスフェクション試薬を用いて、SH-SY5Y細胞でのノックダウンの条件検討を行ったが、薬剤感受性試験を行うために十分なタンパク質のノックダウンが出来ないことやノックダウン処理後の細胞に薬剤処理を行うと、MPP+の細胞感受性やメロキシカムの効果に大きな変化が認められた。従って現在、他のノックダウン系を用いることを検討している。 計画②では、ターゲットタンパク質Aに対して昨年度用いた阻害剤Xとは異なる分子骨格を有する阻害剤YによるメロキシカムのMPP+誘導性神経細胞死の抑制がキャンセルされるか検討したところ、作用が阻害剤Xよりも弱いながらもキャンセルすることが確かめられた。計画③では、ターゲットタンパク質Aの下流にあるタンパク質に対する阻害剤により、メロキシカムによる神経細胞死抑制作用がキャンセルされた。従って、ターゲットタンパク質Aがメロキシカムのターゲット分子である可能性がより高くなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた阻害剤を用いた実験により、おおむねシグナル経路の概要が明らかになってきたが、神経芽細胞腫由来の細胞であることからsiRNAによる実験系の確立に想定より時間がかかっている。今後、ノックダウンするための方法の変更を行いながら実験系の確立を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は引き続きノックダウン実験系の確立を優先的に行いターゲット分子の同定を目指す。脂質系トランスフェクション試薬や一本鎖siRNAではないもの検討し、今後研究を進めていく。さらに培養細胞系を用いた実験の継続することでメロキシカムによる神経細胞死抑制メカムズムを明らかにしていく。また、in vivoでの実験系の確立に向けた準備を進める。
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Causes of Carryover |
当該年度で翌年度として繰り越しになった理由としまして、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、研究活動の自粛要請や学会発表を予定していたが、中止となったため、その費用が繰り越しとなった。次年度費用と合わせて、研究に用いる物品費や学会参加への旅費、論文投稿費に使用する。
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