2022 Fiscal Year Annual Research Report
Assessing periprocedural medication use in patients undergoing CABG in Japan
Project/Area Number |
18K14975
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
隈丸 拓 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00511461)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 周術期の薬剤使用 / 薬剤の使用パターン / 冠動脈バイパス術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の冠動脈バイパス手術(CABG)において、診療ガイドライン上周術期に使用が推奨されている薬剤について、その使用の実態を明らかにし、その使用・非使用と関連する症例および施設の要因を評価、そしてこれらの薬剤の使用がCABGの周術期のアウトカムに与える影響について比較効果解析を実施することを目的とした。 研究には日本の心臓血管外科手術がほぼ100%登録されている日本心臓血管外科手術データベース(JCVSD)のレジストリデータを用いた。特に最終年度については、これまで使用していたデータに加え、2021年末までのアップデートされたJCVSDデータの使用をJCVSDへ申請し承諾を得た上で、これまでの解析に加えて、ガイドライン推奨薬使用実態の経年変化の評価を含めて実施した。 単独CABG術前のアスピリン使用については、2013年の使用割合35.3%から2021年の45.4%までその割合が増加した。使用との関連については、症例レベルの因子として、腎機能不全や悪性腫瘍の併存群でアスピリン使用の割合が低く、オフポンプ手術、過去のカテーテルインターベンション、心筋梗塞例でその割合が高かった。また、施設レベルの因子として年間の平均CABG実施数が50以上の施設に比べ50未満の施設においてアスピリンの使用割合が低かった。 この他、退院時のスタチン処方については待機手術症例において2013年の61.1%から2021年の76.1%に上昇がみられた。ACEi/ARB処方については2013年の27.7%に対して2021年は28.4%であり大きな変化を認めなかった。術前24時間以内のβブロッカーの使用については2013年に34.5%、2021年に43.7%と過去の報告の30%程度から増加を認めた。
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