2019 Fiscal Year Research-status Report
ケトン食による薬物動態変動に対する分子生物学的影響と薬物速度論的影響の解明
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18K14978
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
赤下 学 帝京大学, 薬学部, 助教 (90781542)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ケトン食 / 薬物体内動態 / 薬物代謝酵素 / 抗てんかん薬 / 高脂質食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、難治性てんかんに対し有用性が報告されているケトン食による薬物動態変動の分子生物学的影響および薬物速度論的影響を明らかにし、ケトン食療法時の安全で有効な薬物投与計画の構築である 平成30年度は、ケトン食による薬物代謝酵素の発現・活性に与える影響についてモデル動物を作成し検討を行なった。コントロール群(リサーチダイエット社 (D10070802)、ケトン食群 (リサーチダイエット社(D10070801))の2群を3週間自由摂食させ、薬物代謝酵素の変動を遺伝子発現レベルで検討した。検討した薬物代謝酵素(CYP3A2, 2B1, 2C6, 2C11, UGT2B1)の肝臓における遺伝子発現レベルに有意な変動は確認できなかった。そこで、ラット肝臓ミクロソームを用いて、抗てんかん薬のフェニトインと、ケトン食療法で多く摂取される多価不飽和脂肪酸のリノレン酸をヒト血液中濃度範囲で代謝阻害試験を行ったところ、フェニトインから4’-HPPHへの代謝速度の低下を認めた。これにより、ケトン食による薬物動態変動要因の一つとして、多価不飽和脂肪酸による抗てんかん薬の代謝阻害が示唆された。 平成31年度は、多価不飽和脂肪酸であるリノレン酸、リノール酸、また不飽和脂肪酸のオレイン酸および生理食塩水をラットに投与したのち、フェニトインの経口投与を実施した。検討数がまだ十分ではないが、コントロールである生理食塩水を投与した群と比較し、多価不飽和脂肪酸を投与した群では、経口クリアランスの低下傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成31年度に行う予定であったラットの多価不飽和脂肪酸投与時のフェニトインの体内薬物動態変動の検討が一部実施できたが、目標としていた実施数には至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、多価不飽和脂肪酸とフェニトインをラットに静注および経口投与の検討を継続し、多価不飽和脂肪酸がフェニトインの薬物速度論的パラメータへ与える影響を明らかにする。 また、ヒトに投与されているケトン食を用い、ケトン食がフェニトインの薬物速度論的パラメータに与える影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
所属研究機関の異動に伴い、所属機関での動物実験申請等、研究実施の環境整備に時間を要し、実験計画に従って十分な実験を実施する事ができなかったため、物品費が抑えられた。次年度は十分な研究実施体制であるため、本年度分も含め実験を実施し、物品費として使用する予定である。
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