2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pharmacokinetics fluctuation factors by ketogenic diet
Project/Area Number |
18K14978
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
赤下 学 帝京大学, 薬学部, 助教 (90781542)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ケトン食 / 薬物体内動態 / 薬物代謝酵素 / 抗てんかん薬 / 高脂質食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、難治性てんかんに対し有用性が報告されているケトン食による薬物動態変動の分子生物学的影響および薬物速度論的影響を明らかにし、ケトン 食療法時の安全で有効な薬物投与計画の構築である 。コントロール群(リサーチダイエット社(D10070802)、ケトン食群(リサーチダイエット社(D10070801))の2群を3週間自由摂食させ、薬物代謝酵素の変動を遺伝子発現レベルで検討したところ、CYP3A2, 2B1, 2C6, 2C11およびUGT2B1の肝臓における遺伝子発現レベルに有意な変動は確認できなかった。そこで、ラット肝臓ミクロソームを用いて、抗てんかん薬のフェニトインと、ケトン食療法で多く摂取される脂肪酸のα-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸をヒト血液中濃度範囲で代謝阻害試験を行ったところ、α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸でフェニトインから4’-HPPHへの代謝速度の低下を認めた。これにより、ケトン食による薬物動態変動要因の一つとし て、多価不飽和脂肪酸による抗てんかん薬の代謝阻害が示唆された。多価不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸、リノール酸、 また不飽和脂肪酸のオレイン酸および生理食塩水をラットに投与したのち、フェニトインの経口投与を実施した。コントロールである生理食塩水を投与した群と比較し、多価不飽和脂肪酸を投与した群では、経口クリアランスの低下によるフェニトインの体内暴露量の増加が認められた。このことにより、フェニトイン薬物療法において多価不飽和脂肪酸は注意すべき薬物-飲食物間相互作用となる可能性が示された。
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