2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of drug dose check system using machine learning technology and application to clinical practice
Project/Area Number |
18K14984
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永田 健一郎 九州大学, 大学病院, 薬剤師 (30812896)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 処方チェックシステム / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
医薬品の過量投与は有害事象の発現を引き起こし,過少投与は治療効果の減弱を招くことから,過量・過少処方を高精度に検出可能なシステムの開発が望まれている。本研究では,教師なし機械学習における代表的なアルゴリズムであるone-class support vector machine(OCSVM)を用いてモデル構築を行い,医薬品の過量・過少処方に対する検出性能を評価した。 対象期間(2014年1月1日~2019年12月31日の6年間)における処方データを電子カルテから抽出し,解析対象とした経口薬21薬剤について,患者の年齢,体重,および薬剤の投与量を基にOCSVMモデルを構築した。実臨床における疑義照会事例(31事例)のデータをOCSVMモデルへ適用したところ,27事例(87.1%)が異常データとして検出された。対象期間における処方データを基に,正常データ(添付文書およびUpToDate記載用量の範囲内),過量データ(最大用量の2倍),および過少データ(最小用量の0.1倍)を作成し,OCSVMモデルへ適用した。解析結果は,過量データではPrecision(適合率)は0.986,Recall(再現率)は0.964,F-measure(適合率と再現率の調和平均)は0.973であり,過少データではPrecisionは0.980,Recallは0.794,F-measureは0.839であった。他の教師なし機械学習アルゴリズム(local outlier factor,isolation forestおよびrobust covariance)を用いたモデルと比較して,OCSVMモデルは最も高い検出性能を有することが示された。 本研究の結果から,患者の年齢,体重,および薬剤の投与量を基に構築したOCSVMモデルが,医薬品の過量・過少処方の検出において有用であることが示された。
|