2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of simultaneous determination method of kinase inhibitors by means of dried blood spot sampling at home
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18K14988
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
向 祐志 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (10711830)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Dried blood spot / Dried plasma spot / キナーゼ阻害薬 / TDM / LC-MS/MS / 分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は以下の項目を実施した。 1)造血器腫瘍治療薬として使用されるBCR-ABLおよびブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬を測定対象として、dried blood spot (DBS)ならびにdried plasma spot (DPS)を検体とした一斉分析法について、臨床応用性を評価するための臨床試験(札幌市内の医療機関との共同研究)を実施した。DBSならびにDPS中薬物濃度と血漿中濃度の一致度について評価し、DBS中薬物濃度を用いた血漿中薬物濃度の換算式を導出した。また、換算式を用いた場合の血漿中薬物濃度の予測精度を評価した。得られた成果について、学会で発表した。また、DPSに関する研究成果は、国際学術誌に論文を投稿し、受理された。 2)前年度に開発した肺がん治療薬として使用される5種の上皮成長因子受容体(EGFR)-チロシンキナーゼ阻害薬ならびに3種の未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬の血清中濃度一斉分析法の臨床応用性を評価するための臨床試験(札幌市内の医療機関との共同研究)を実施した。得られた成果について、国際学術誌に論文を投稿し、受理された。 3)造血器腫瘍治療薬として使用されるBCR-ABLおよびブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬を対象として、自己指先穿刺で作成されたDBSを検体とした薬効評価を含む治療評価体制を構築するための臨床試験(札幌市内の医療機関との共同研究)実施に向けた体制整備を行った。本試験では、患者宅での自己指先穿刺によるDBS検体作成に関する実現可能性も検討する予定であり、倫理委員会への申請準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時には、令和2年度の後半から固形腫瘍に用いられるキナーゼ阻害薬を対象とした血中薬物濃度一斉分析条件構築に着手する予定であった。しかし、研究代表者の所属変更に伴う実験環境整備に時間を要したため、未着手の状態である。一方、造血器腫瘍あるいは肺がん治療に用いられるキナーゼ阻害薬の一斉分析条件の開発は予定通り進捗している。上記を総合して、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に遅れが生じているため、先行している造血器腫瘍治療に用いられるキナーゼ阻害薬を対象とした患者宅で作成したDBS検体に基づく治療評価体制の構築に焦点を絞り、研究を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)