2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the "thiamine deficiency hypothesis" as a mechanism of metronidazole-induced encephalopathy
Project/Area Number |
18K14992
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
山岸 喜彰 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (30805255)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | チアミン / メトロニダゾール / チアミントランスポーター / メトロニダゾール誘発性脳症 (MIE) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、メトロニダゾール (Metronidazole: MTZ) 誘発性脳症 (Metronidazole-Induced Encephalopathy: MIE) の発症メカニズムの解明を目的に以下の検討を行った。 昨年度までに、我々はヒト結腸癌由来細胞株Caco-2細胞を用いてチアミン輸送に及ぼすMTZの影響を検討するために、単層膜形成後のCaco-2細胞にチアミン-d3 (3 μM) およびMTZ (0、0.01、0.1、1、10、50 mM) の溶液を添加し、37℃で7分間インキュベートした後にLC-MS/MSによりチアミン-d3を定量した。その結果、チアミン-d3の細胞内濃度は、単独添加群と比べて低濃度 (0.01-1 mM) のMTZ添加群では変化が認められなかったが、高濃度 (10、50 mM) のMTZ添加群においては有意に高い値を示した。 今年度は、チアミンの消化管からの吸収や脳組織への移行にMTZ が影響を及ぼす可能性について検討するために、Caco-2細胞をTranswell🄬に播種し21日間培養して単層膜形成を確認後、チアミン-d3 (3 μM) およびMTZ (0、0.3、10、50 mM) の溶液を添加し、37℃で120分間インキュベートし、Basal側の液を回収後アセトニトリルで除タンパク処理を行い、LC-MS/MSによりチアミン-d3を定量した。その結果、臨床における血漿中濃度付近および経口投与後の消化管内濃度付近の MTZ は、Caco-2 細胞におけるチアミン-d3 の輸送に影響を及ぼさなかったことから、MTZはチアミンの脳組織への移行および消化管からの吸収を阻害しない可能性が示唆された。
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