2020 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of origin for germ cells in mouse embryos
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18K15001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丹藤 由希子 東北大学, 加齢医学研究所, JSPS特別研究員(RPD) (70596212)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 始原生殖細胞 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
生殖細胞は、多細胞生物の子孫の継続を担う唯一の細胞である。哺乳類の生殖細胞は、発生に伴いシグナルタンパク質の作用で運命決定されるという考えが定説であるが、それだけでは初期胚内のわずか数細胞だけが生殖細胞に分化するメカニズムが解明されず、生殖細胞の起源となる細胞と、それを生み出す未知の因子の存在が考えられる。そこで本研究は、マウスの生殖細胞の起源となる細胞を同定することを目的としている。前年度は、始原生殖細胞(PGC: Primordial Germ Cells)の形成にはBMPシグナル系が必要なことから、PGCが形成される直前の5.5日胚の単一細胞RNA-seqデータを用い、BMP受容体とその経路にあるSmadの発現が高い51細胞を抽出した。これらに高発現している5遺伝子をPGC形成に関わる候補遺伝子として検証していくことを考えたが、これらの遺伝子がPGC形成に関係しておらず期待される結果が得られない可能性もあるため、事前策として、他の方法の模索を行った。 まず、Otx2に着目した検証を行った。最近、出現時のPGCではOtx2が特異的に低下することが報告された。そこで、免疫染色にてPGC出現直前の5.5日胚でOtx2の発現が低い細胞の有無を検証したが、そのような細胞は見いだされなかった。次に、遺伝子発現によらない検証方法として、遺伝子以外でPGCになるような細胞を特徴づけることが可能かを検討した。その結果、PGCに特異的な細胞内在性の蛍光波長を検出し、そのような波長をもつ細胞を5.5日胚で検出する方法は、共同研究によって可能と考えられた。今後の予定について共同研究先と調整しているが、具体的な研究の実施には至らなかった。
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