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2019 Fiscal Year Research-status Report

二本鎖RNAの細胞間伝播を制御する分子機構の解析

Research Project

Project/Area Number 18K15015
Research InstitutionTokyo Women's Medical University

Principal Investigator

吉田 慶太  東京女子医科大学, 医学部, 助教 (20808159)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
KeywordsRNA干渉 / 小胞輸送 / TBCドメインタンパク質 / Rabタンパク質
Outline of Annual Research Achievements

細胞間の情報伝達は生体の発生や恒常性の維持に重要である。マイクロRNAなどの機能性RNAが細胞外に分泌され、情報伝達に寄与することが明らかにされつつあるが、それを制御する機構はよくわかっていない。本研究は、線虫においてRNA干渉を起こす二本鎖RNAが細胞間を伝播する現象(全身性RNAi)をモデルとして、機能性RNA輸送機構の解明を目指している。
今年度は前年度に同定した全身性RNAiに関わる2つの新規因子、Y39A3CL.1とTBC-3について、細胞内局在などの分子の特徴を解析した。Y39A3CL.1と赤色蛍光タンパク質(TagRFP)が融合したタンパク質を発現するトランスジェニック株を作製した。この株と、各細胞内小器官に特異的に局在する緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現する株とを掛け合わせ、蛍光観察することでY39A3CL.1の局在を観察した。その結果、Y39A3CL.1タンパク質は細胞内の後期エンドソームとリソソームに局在しており、細胞内の膜輸送系に関わることが示唆された。
TBC-3についても同様に細胞内の局在を解析した結果、ゴルジと後期エンドソームに局在することが明らかになった。TBC-3はTBCドメインタンパク質の1種であり、TBCドメインタンパク質は、小胞輸送の制御因子であるRABタンパク質のGTPase 活性化タンパク質(GAP)として機能するとされている。そこで、TBC-3のGAP活性をなくした形態と野生型の形態との機能を比較した。その結果、野生型のみが全身性RNAiにおいて機能することが明らかになり、TBC-3はRABタンパク質のGAPとして機能することで二本鎖RNAの輸送に関わることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究で同定した2つの全身性RNAi関連因子について、計画通りに細胞内局在の解析を行うことができた。また、その結果、2つの因子ともに細胞内膜系に局在することが明らかになり、さらに解析を進めることで二本鎖RNAの輸送経路を解明できる可能性が高いと考えられる。また、TBC-3のGAP活性が必要であることが明らかになり、今後の解析につながる結果を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

今後は同定した2つの新規因子と相互作用する因子について探索を行う。Y39A3CL.1については、同様の細胞内局在パターンを示す既知のRNAi関連因子であるSID-5との相互作用について解析する。また、その他のRNAi関連因子との遺伝的相互作用についても解析する。
TBC-3については、GAP活性の標的となるRABタンパク質の探索を行う。tbc-3の変異体では、GAP活性の標的であるRABタンパク質は異常に活性化していることが予想される。そこで、tbc-3の変異体に対してrab遺伝子のRNAiスクリーニングを実施する。TBC-3の標的であるrabがノックダウンされれば、tbc-3変異体の表現型が抑圧されるはずである。このtbc-3変異の抑圧を指標にスクリーニングを行うことで、標的であるRABタンパク質を同定する。

Causes of Carryover

今年度は年度末に所属研究室の移転が予定されてたため、新規の物品の購入をできるだけ控えた。そのために、予定よりも使用額が少なくなった。
次年度は、移転後の研究環境の整備のため、インキュベーター等の購入を予定している。研究の進捗によっては、次々年度の予算を前倒し請求して顕微鏡の装置を購入することも想定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Identification of a novel RNAi-related factor that promotes intercellular transport of double-stranded RNA2019

    • Author(s)
      Keita Yoshida, Sawako Yoshina, Yuji Suehiro, Shohei Mitani
    • Organizer
      22nd International C. elegans Conference
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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