2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanism for triggering an onset of atopic dermatitis
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18K15022
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮井 智浩 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 特別研究員 (30812549)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 多臓器円環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年に見出した因子FGF23について、ノックアウト(KO)マウスの作成および生化学的解析を行った。 1)FGF23の欠損マウスの作成およびアトピーモデルマウスとの交配:FGF23の全身性欠損マウスをCRISPR/Cas9法を用いて作成し、アトピーモデルマウスのJak1-Spadeとの交配を行った。目的通りのFGF23-KO動物の作成に成功し、Jak1-Spadeとのダブルミュータントにおいて皮膚炎症状の減弱を認めたものの、FGF23の欠損によって全身成長の阻害および早老致死の表現型も同時に表出したため、得られた結果の解釈が困難であった。そこで、さらに精密な表現型解析および生化学的解析のためにFGF23のfloxマウスを購入し、産生細胞特異的なCreマウスとの交配によるconditional KO動物の作出を進めている。 2)FGF23およびFGF23の作用標的に関する生理学的解析:FGF23はホルモンタンパク質の一種であり、全身性に循環することで幅広い生理調節に関わる。Jak1-SpadeマウスおよびMC903塗布によるアトピーモデルマウスの血中においてFGF23の血中濃度が極めて高くなっていることを確認した。また、ヒトアトピー性皮膚炎患者においても一部の患者群においてFGF23タンパク量の上昇を認めた。また、FGF23の作用によって変動しうる血中因子について生化学検査を行ったところ、特に肝臓の機能異常を示唆するパラメータの変動が認められた。確かに、Jak1-Spadeマウスにおいて皮膚炎の発症より前の時点で肝臓形態の異常を認めたため、今後は肝臓-皮膚間の連関を照準に据えてさらに詳細な解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)