2018 Fiscal Year Research-status Report
生理活性脂質の作用制御に基づく脳内出血治療標的の探索
Project/Area Number |
18K15034
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
肱岡 雅宣 立命館大学, 薬学部, 助教 (50780061)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳内出血 / ミクログリア / 好中球 / ロイコトリエンB4 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳内出血は脳血管の破裂に基づき血液が脳内に漏れ出す疾患である。近年の研究において好中球の浸潤が脳内出血の病態重篤度を左右することが報告されている。過去に、好中球の走化性因子として知られる生理活性脂質であるロイコトリエンB4 (LTB4) の受容体 (BLT1) が脳内出血時の好中球浸潤を制御するターゲットになることを見出しており(Hijioka M. et al., 2017)、本研究ではLTB4を含めた各種生理活性脂質が脳内出血病態に与える影響を明らかにすべく研究に取り組んだ。まず、脳内出血惹起後に脳内の各種脂質の含有量を測定した。その結果、LTB4をはじめ、各種脂質の産生量に変動が見られることを見出した。特に産生量の増加が顕著であったLTB4に注目し、in vitroでの解析を行った。マウスミクログリア細胞株であるBV-2細胞に対し、血液成分の一種であるトロンビンを処置したところ、培養上清中のLTB4量が有意に増加した。この時、BLT1の選択的アンタゴニストであるU-75302を処置しておくと、トロンビンによって誘導される各種炎症性サイトカインのmRNA発現量増加が抑制された。また、トロンビンを処置したBV-2細胞の培養上清に対し、好中球が遊走すること、その遊走がU-75302によって抑制することを見出した。これらの結果より、脳内出血時にはトロンビンによって活性化されたミクログリアによって放出されたLTB4がミクログリア自身の活性化を正に調節すること、また、好中球の浸潤を促進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度では脳内出血の治療標的となる脂質の探索を行う予定としていた。LC-MS/MSによる解析で、脳内のアラキドン酸代謝物の含有量の変化を一斉に解析することができたため、治療標的の探索が行えた。初年度は特にLTB4に注目した機能解析を行ったが最終年度では他の生理活性脂質にも注目し解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度ではLTB4以外の脂質に注目し研究を展開する。特に、LTB4と共通の酵素によって産生されるが、作用が異なる脂質であるリポキシンA4に着目し、脳内出血に対する治療標的としての有用性を検証する。
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Research Products
(5 results)