2018 Fiscal Year Research-status Report
進行肝細胞癌における癌周辺微小環境を標的とした新規治療法の確立
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18K15040
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
野島 広之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10507320)
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2018-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 進行肝細胞癌 / スフィンゴシン1-リン酸（S1P） / S1Pレセプター |
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| Outline of Annual Research Achievements |
我々はNF-kB- STAT3活性制御、浸潤形成に係わる上皮間葉転換（EMT）を制御しうる脂質メディエーターであるスフィンゴシン1-リン酸（S1P）に着目し、肝細胞癌におけるS1P受容体の発現の増加を見いだした。今回、肝細胞癌でのS1Pレセプター3(S1PR3)の発現に着目し、臨床病理学的因子との関連を検討した。
当院にて2009年から2012年に肝細胞癌にて初回肝切除をした108症例を対象とした。肝細胞癌におけるS1PR3およびEMTマーカーであるE-cadherinの免疫染色の解析をおこない、それぞれを低発現群、高発現群に分類し、S1PR3の全生存率(OS)および再発率(RFS)および臨床病理学的因子との関連を検討し、E-cadherinとの相関関係を検討した。
肝癌患者において、S1PR3に関して、癌部では非癌部と比較し発現の増強を認めた。S1PR3の高発現群では、低発現群と比較して、OSおよびRFSに有意に低下を認めた。S1PR3での臨床病理学的背景を検討すると、高発現群は、低発現群と比較して、男性、Vv陽性を有意に多く認めた。RFSに寄与する予後因子に関しての単変量、多変量解析では、① 肝内転移、② S1PR3高発現が予後不良因子であった。また、E-cadherinに関して、低発現群では高発現群に比較し、OSおよびRFSに有意に低下を認めた。S1PR3との相関関係を検討すると、S1PR3高発現群では有意にE-cadherin低発現群を多く認めた。
肝細胞癌患者において、RFSに関してS1PR3の高発現が独立した予後不良因子であったことやE-cadherinとの相関関係を認めたことから、進行肝細胞癌の再発のメカニズムは、S1PによるS1P受容体を介したNF-kB -STAT3活性化やEMTにより誘導されるものと推察された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝癌細胞でのS1Pレセプターのノックダウン導入に時間を要しており、研究計画で予定している細胞実験が予定よりやや遅れているが、ノックダウンを一旦行えば、予定通りに研究をすすめることができると推測される。
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| Strategy for Future Research Activity |
各肝癌細胞でのS1Pレセプターのノックダウンを行い、S1PレセプターとEMTの関連について検討を行う。
1 ヒト肝癌腫瘍細胞株に対するS1PのEMT誘導 ヒト肝癌腫瘍細胞株をS1Pにて刺激をおこない、EMTマーカーであるE-cadherin, Vimentin, Fibronectinの発現をWestern Blottingにて解析、cell invasion assayをおこない細胞浸潤活性を評価する。さらには、EMTに関連する転 写因子であるtwist, snail, zeb1/2の発現をWestern Blottingにて解析する。
2 S1P刺激ヒト肝癌腫瘍細胞株に対するS1P受容体拮抗薬、S1P受容体ノックダウンによる 細胞増殖抑制、血管新生抑制、浸潤形成制御 S1P刺激肝癌腫瘍細胞株にて、各種S1P受容体拮抗薬(FTY720, S1PR1, S1PR3, S1PR1+ S1PR3)を投与、またはsiRNAにてS1PR1, S1PR3をノックダウンし、細胞増殖抑制、血管 新生抑制、浸潤制御が生じるかを検討する。
3 肝癌モデルマウスでのS1P受容体拮 抗薬による腫瘍増殖抑制、血管新生 抑制、腫瘍浸潤制御腫瘍増殖、血管新生、 各種S1P受容体拮抗薬を腹腔内投与し、腫瘍増殖抑制、血管新生抑制、
DEN誘導肝癌モデルマウスへのS1P投与により、EMT誘導が生じるか、さらにはEMT誘導抑制が生じるかを検討する。抗腫瘍効果を腫瘍径および解剖後の腫瘍重量で評価する
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[Journal Article] Glucagonoma With Necrolytic Migratory Erythema: Metabolic Profile and Detection of Biallelic Inactivation of DAXX Gene.2018
Author(s)
Tamura A, Ogasawara T, Fujii Y, Kaneko H, Nakayama A, Higuchi S, Hashimoto N, Miyabayashi Y, Fujimoto M, Komai E, Kono T, Sakuma I, Nagano H, Suzuki S, Koide H, Yokote K, Iseki K, Oguma R, Matsue H, Nojima H, Sugiura K, Yoshitomi H, Ohtsuka M, Rahmutulla B, Kaneda A, Inoshita N, Ogawa S, Tanaka T
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Journal Title
J Clin Endocrinol Metab
Volume: 103
Pages: 2417-2423
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Novel treatment strategy with radiofrequency ablation and surgery for pregnant patients with hepatocellular carcinoma: a case report.2018
Author(s)
3.Matsuo M, Furukawa K, Shimizu H, Yoshitomi H, Takayashiki T, Kuboki S, Takano S, Suzuki D, Sakai N, Kagawa S, Nojima H, Ohsuka M
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Journal Title
Surg Case Rep
Volume: 4
Pages: 43
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Risk factors for postoperative complications after hepatectomy in super-elderly patients2018
Author(s)
H Nojima, H Yoshitomi, K Furukawa, T Takayashiki, S Kuboki, S Takano, D Suzuki, N Sakai, S Kagawa T Mishima, M Miyazaki, M Ohtsuka
Organizer
第30回日本肝胆膵外科学会・学術集会
Int'l Joint Research
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