2020 Fiscal Year Research-status Report
細胞老化を抑制する分子機構の解明 -代謝によるエピゲノム制御-
Project/Area Number |
18K15048
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井形 朋香 熊本大学, 発生医学研究所, 特定事業研究員 (20755607)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 転写因子 / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年著しく発展している老化研究により、個体の老化(aging)に細胞の老化(cellular senescence)が関与することが示唆されている。個体における細胞老化はがん抑制として機能 する一方で、老化細胞の蓄積は臓器や組織に慢性炎症を引き起こし、加齢性疾患を誘発する。 そのため老化研究において、細胞老化を抑制する分子機構の解明は重要な課題となっている。 本研究では、細胞老化に関わる転写因子による細胞老化抑制の分子機構を明らかにすることを目的とした。本年度において、転写因子が発現制御する標的遺伝子の解析を行った。また転写因子のノックアウトマウスの表現型解析を行った。ChIP-seq解析により特定した転写因子の標的遺伝子について、プロモーター解析を行った結果、転写因子によるプロモーター活性の制御を認めた。この標的遺伝子は細胞老化に重要な遺伝子であり、この遺伝子の発現制御を介して、転写因子が細胞老化を防御するのに重要な役割を持つことが明らかになった。また、転写因子のノックアウトマウスの解析では転写因子が個体の老化にも関与することが示唆される結果を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、転写因子が発現制御する標的遺伝子の解析を行った。また転写因子のノックアウトマウスの表現型解析を行った。ChIP-seq解析により特定した転写因子の標的遺伝子について、プロモーター解析を行った結果、転写因子によるプロモーター活性の制御を認めた。この標的遺伝子は細胞老化に重要な遺伝子であり、この遺伝子の発現制御を介して、転写因子が細胞老化を防御するのに重要な役割を持つことが明らかになった。また、転写因子のノックアウトマウスの解析では転写因子が個体の老化にも関与することが示唆される結果を得た。これらのことから、概ね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに、細胞老化に関わる転写因子による細胞老化抑制の分子機構を細胞レベル及び個体レベルで明らかにすることができた。今後、これらの研究結果を論文にまとめ、国際雑誌等に報告する予定である。
|
Research Products
(1 results)