2020 Fiscal Year Research-status Report
循環器疾患及びがんにおける血中Lp(a)濃度・KIV2多型の統合的な関連の探索
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18K15055
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
山崎 茉莉亜 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60776516)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | KIV2 |
Outline of Annual Research Achievements |
<本研究の目的>本研究はがんや循環器疾患などの疾患リスクの予測を想定して、血中Lp(a)濃度とKIV2多型を統合的に解析する。従来、LPA多型→血中Lp(a) 濃度→疾患という直列な関連が想定されていたが、近年LPA多型と血中Lp(a) 濃度は独立な疾患リスクである 可能性が示唆された。そこで、本研究では、東京 都健康長寿医療センターの剖検例を対象として、血中Lp(a)濃度・臨床情報・ 実験により決定されたKIV2多型のコピー数の情報を利用して、LPA多型が血中 Lp(a) 濃度を介さない形で疾患のリスクであると いう仮説を検証する <研究実績の概要>本研究の実施状況は、一昨年度、選定を行い倫理委員会から承諾を得た参照データである東京都健康長寿医療センターの剖検例を対象に、LPA遺伝子のKIV2のコピー数の決定をddPCRにより行った。これまでにddPCRによりKIV2のコピー数の決定した検体を解析したところ、先行研究にあるようにLp(a)濃度とKIV2のコピー数には関連が示された。これにより、全体的にはddPCRの実験はうまくいっていると考えられる。また、ddPCRによりKIV2のコピー数の決定した検体と剖検例1922例のいくつかSNPの頻度を比較したところ、大きく解離すことはなかった。 さらに、ゲノム計画でも測定間の比較のためにしばしばもちいられてきた白人種家系から採取された血清由来B細胞株NA12878も同様の実験によりコピー数の推定も行なった。さらに、公開データであるNA12878のロングリードシークエンスデータを複数種類確認し、ddPCRおよびパルスフィールド電気泳動法からの推定値と一致するかの確認を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のために、施設に入校できず実験が進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はプラチナゲノムNA12878に関して、コピー数を正確に推定することで、疾患との関連研究を行う際にはゴールドスタンダードとして他の研究チーム使用することができるようになる。また、SNPアレイ情報からKIV2多型のコピー数の推定を試みることは、実験手法のバリデーションを確認してから行うこととした。
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Causes of Carryover |
研究が遅れており、次年度に実験を行う必要が出てきたため。
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