2019 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of DCLK1 in pulmonary cancer associated with IPF
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18K15059
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
丸山 順一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30723639)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DCLK1 / 特発性肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
主たる研究項目として遂行してきたDCLK1によるDNA損傷修復抑制機構の解析について、昨年度までの結果の中に議論の根幹に影響する問題を見出したため、本年度は得ていた全ての結果の再検討に注力した。現時点までに得られている再検討結果は芳しいものではなく、既に発表している論文(Lu et al. Biochem. Biophys. Rep. 16 130-7)のretractionまで含めて本研究の遂行方針を検討し直す必要性が生じている。並べて昨年度に引き続き、DCLK1トランスジェニックマウス実験系の作製とDCLK1発現誘導機構解析を行った。 ・DCLK1トランスジェニックマウス実験系の作製 タモキシフェン依存的にDCLK1発現誘導を行うことができるトランスジェニックマウスの樹立を行った。現在までに、当該マウスを1ライン樹立することに成功した。そしてタモキシフェン腹腔内投与により肺において実際にDCLK1発現誘導がかかることを確認した。 ・DCLK1発現誘導機構解析 ヒト肺腺がん由来細胞株H1299にLymphotoxin alphaを処置することで内在性DCLK1タンパク発現量が増加する結果を得ている。他グループにより、IL17処置によってもDCLK1発現誘導が見られるという報告がなされており(Zhang et al. Gastroenterology 155 210-23)、実際に検討したところ確かに誘導作用が確認され、その程度はLymphotoxin alphaによるものとcomparableであった。IL17とLymphotoxin alphaはその下流シグナル伝達経路としてNF-kB経路を共有しており、NF-kB経路依存的なDCLK1発現誘導機構の存在が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
DCLK1トランスジェニックマウスの樹立には成功したものの、昨年度まで解析を行っていたDCLK1依存的DNA損傷修復抑制機構に関して、その実験系内に見つかった大きな問題のため大部分の結果を再検討する必要が生じてしまった。以上を評価して、全体としては遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、今年度まで進めていたDCLK1依存的DNA損傷修復抑制機構解析を次年度以降も主たる研究項目として遂行することは難しいと考えている。そこで次年度は、Lymphotoxin alphaやIL17によるDCLK1発現誘導機構の詳細を解析する方向にエフォートを振り、特発性肺線維症におけるDCLK1発現誘導上昇の分子機構の仮説を提示する研究として遂行していく予定である。
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