2020 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of DCLK1 in pulmonary cancer associated with IPF
Project/Area Number |
18K15059
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
丸山 順一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30723639)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | DCLK1 / 特発性肺線維症 / NF-κB |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性間質性肺炎の一種である特発性肺線維症(IPF)には肺癌が高率に併発することが知られているが、このメカニズムは未だ完全に理解されていない。研究代表者は公共遺伝子発現データベースGEOに公開されているIPF肺の遺伝子発現データを再解析することで、癌幹細胞マーカーとして知られているキナーゼであるDCLK1がIPF肺において発現上昇していることを見出した。近年DCLK1は肺癌において、その発現量が悪性度と相関すること、肺癌細胞の増殖浸潤能や癌幹細胞性に関与していることが報告されている。そこで本研究では、IPF肺における肺癌高併発メカニズムの仮説として「DCLK1の発現上昇による発癌の促進」を立てて検討を行ってきた。 今年度は特に、DCLK1発現誘導機構の解析を中心に研究を進めた。これまでの研究代表者による検討により、肺腺癌由来細胞株H1299におけるDCLK1発現がLPSで活性化させたマクロファージ用細胞株RAW264.7・THP-1の培養上清処置、IL-17刺激、Lymphotoxin alpha刺激などにより誘導されることを見出していることから、それらの処置が活性化する可能性が高いNF-κB経路がDCLK1発現誘導に関与している仮説を立て検討を行った。結果、H1299細胞におけるLPS活性化RAW264.7細胞培養上清処理依存的DCLK1発現誘導は、RelA発現抑制では阻害されない一方でRelB発現抑制により阻害されることを見出した。この結果は、DCLK1発現がcanonical NF-κB経路ではなくalternative NF-κB経路を介して誘導されていることを示唆しており、DCLK1発現分子機構に関する新規知見であると考えられる。 以上の知見を含めた一連の検討結果を論文報告した(Lu et al. J. Med. Dent. Sci. 68:39-48.)。
|
Research Products
(1 results)