2018 Fiscal Year Research-status Report
分子標的治療薬および化学療法薬が肺癌の免疫微小環境に与える影響
Project/Area Number |
18K15076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊藤 涼子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30733349)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | EGFR-TKI / miRNA / 免疫チェックポイント |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度に行った研究成果を以下に示す。1-1.EGFR-TKI・化学療法薬長期暴露肺癌細胞株の樹立:EGFR-TKI耐性株は過去に樹立済みである。また、PC-9, A549を親株として、シスプラチン(CDDP)、ペメトレキセド(PEM)をそれぞれ6ヶ月間投与し化学療法耐性株を樹立した。1-2. 免疫微小環境関連因子についての網羅的解析:サイトカイン抗体アレイにより、PC-9とE-PC9(EGFR-TKI耐性株)の間ではIL6, IL8,TGFβ,TNFαの発現に有意な差があることが明らかとなった。PCRアレイによる網羅的解析では、PC9に比してE-PC9においてmiR-1が有意に増加し, miR-200が有意に低下していることが確認された。2-1.各治療薬に応答する免疫微小環境関連因子の相互作用の解明:miR-1, miR-200をPC9, PC3にトランスフェクションしたところ、IL6, IL8, TGFβ, TNFα, PD-L1のmRNA発現が有意に変動し、耐性獲得後にこれらのmiRNAの変動を介したサイトカインの発現変動により腫瘍内免疫微小環境が変化する可能性が示された。なお、miRNA、特にmiR-1の発現がEGFR-TKI耐性獲得後に変動する機序としては、マイクロアレイの結果からMEF2経路の関与を推定している。3-1. 治療前後の免疫微小環境の変動:東北大学病院を含む3施設から集められたEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌症例の中で、EGFR-TKI使用後耐性を獲得し再生検が施行された21症例に免疫組織化学的検討を行った。本検討では、EGFR-TKI耐性獲得によって腫瘍内浸潤CD8陽性T細胞が有意に減少し、腫瘍のPD-L1発現は上昇する傾向が得られた。この結果は上記2-1で得られたin vitroの結果に矛盾せず、先の仮説をより強く支持するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度が最終年度であるため記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度が最終年度であるため記入しない。
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Research Products
(2 results)