2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of endothelial injury mediated by receptors of innate lymphocytes involved in vasculitis pathogenesis
Project/Area Number |
18K15077
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 実喜子 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20736491)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血管炎 / 内皮傷害 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、健常人ボランティアCD8と内皮細胞の共培養をする準備として、十分な条件検討に耐えられるように、まずは市販の血管内皮細胞を不死化(SV40)させ、NK細胞株KHYG-1と共培養し、測定法の検討を行った。前年度までの検討で、KHYG-1は共培養後に内皮細胞から洗い落とすことが困難で、共培養後の染色で内皮細胞のプレートからの剥離を測定することは断念した。このため共培養前の染色としたが、共培養中に染色性が低下してしまう問題があった。このため、生細胞トラッキング試薬を用いて共培養前に染色し観察した。しかしながら、この試薬は共培養後でも染色性はそれほど低下しないものの、蛍光観察を始めると急速に染色性が落ち、測定段階まで時間的に耐えられないことが判明した。 正確な測定法は後日の課題として、当初の予定通り共培養後に染色することにし、内皮細胞のプレートからの剥離の状況はまずは目視で検討することとした。その結果、KHYG-1は Effector/Target ratio 依存性に内皮細胞をプレートから剥離させるように観察された。 ついで、KHYG-1による内皮傷害にNKG2D-NKG2DL の機序が関連しているか否かをみるために、これらの発現を亢進あるいは阻害させて共培養を行い、剥離の程度に差がでるか確認した。KHYG-1は種々のサイトカイン刺激においてもNKG2Dの発現亢進がないため、内皮細胞側に対してサイトカイン刺激しNKG2DLの発現亢進が起こる条件をフローサイトメトリーで検討したところ、TNFαでNKG2DLの発現が亢進することが判明した。よって、TNFα刺激の有無やNKG2D阻害薬の有無など種々の条件下で共培養し観察した。しかしながら、KHYG-1 による 内皮細胞傷害に NKG2D-NKG2DL の機序が関連しているということを推測できる結果は得られなかった。
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