2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K15087
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
中井 登紀子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (00619538)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺腺癌 / 弾性線維 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺の構造を保つ上で、弾性線維は重要な構造物であるとともに、炎症や腫瘍における構造変化の評価においても重要な要素とされている。弾性線維の増加は、腺系腫瘍において良悪問わず認められる特徴的な所見である一方、腺系以外の肺腫瘍は肺以外の腫瘍では認められない点において、各種浸潤癌の間質に普遍的にみられる膠原線維増生とは異なる。 本研究では、肺腺系腫瘍固有の弾性線維に富むマトリックス形成機序を解明し、「肺腫瘍間質のelastosisは普遍的な腫瘍間質ではなく、肺に特徴的な反応であり、その機序は発生に求められる」という仮説を証明することを目的とした。 1年目において、外科的肺切除症例からAIS,浸潤性腺癌,良性病変を抽出し、免疫組織化学的に、肺腺系腫瘍の弾性線維形成においてⅡ型肺胞上皮類似の性質を有する腺系細胞の置換性増殖と、腫瘍細胞直下に存在するsubepithelial myofibroblast(SEMF)の存在が重要であることが確認できた。しかしながら、腫瘍細胞における胎児期Ⅱ型肺胞上皮細胞の性質の有無については免疫組織化学的に評価することが困難であったことから、2年目は、特に肺腺癌における遺伝子変異の種類による弾性線維形成の違いに着目して検討することとした。現在、外科的肺切除症例のうち遺伝子検索を施行されている肺腺癌症例100例を抽出し、弾性線維形成について形態計測および半定量的な評価し、検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、腫瘍細胞における胎児期Ⅱ型肺胞上皮細胞の性質の有無について、免疫組織化学的に腫瘍細胞の性質を評価することが可能であると考えていたが、免疫組織化学染色が非特異的染色を示すなどの理由から当初予定した方法では評価が困難であったため、遺伝子変異の違いに着目した腫瘍細胞性質の検討へと評価方法を変更し、現在検討中である。評価方法を再考し、変更したため、当初の予定より進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
外科的肺切除症例のうち遺伝子検索を施行されている肺腺癌症例100例を抽出し、弾性線維について形態計測および半定量的な評価し、遺伝子変異による弾性線維形成の傾向を検討する。
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Causes of Carryover |
当初は腫瘍細胞性質について蛋白・分子レベルでの検討を予定していたが、当初予定した方法では評価困難であったため、検討方法を変更したことによる。
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Research Products
(1 results)