Outline of Annual Research Achievements |
Somatic Copy number alteration (SCNA)は大腸癌で浸潤の際に多数みられることが明らかにされているが,大腸腺腫,粘膜内癌,浸潤癌における頻度,さらに癌関連遺伝子変異,DNAメチル化状態,microsatellite instability (MSI)との関連は明らかでない.今回我々は大腸腫瘍におけるゲノム, エピゲノム変化を解析し, SCNAとの関連について検討した.大腸腺腫65例 [low grade adenoma (LGA) 40例, high grade adenoma (HGA) 25例], 粘膜内癌 (intramucosal cancer: IMC) 35例, 固有筋層浸潤癌20例について腺管分離法により腫瘍腺管を採取後,DNAを抽出し, HumanCytoSNP-12v2.1 BeadChip を用いてSCNA解析を行った.Gain, loss of heterozygosity (LOH), copy neutral LOHに分類し, その頻度, 染色体異常領域から階層的クラスター解析を行い各subgroup間のCNA頻度,異常領域とBRAF, KRAS, TP53遺伝子変異,DNAメチル化状態,MSIとの関連を調べた.CNAの頻度から3つのsubgroupに分類された. subgroup1は多くのCNAに特徴付けられsubgroup3ではCNAは少なく, subgroup2は中間的であった. CNA異常領域ではsubgroup1は2,3に比してsubgroup2は3に比してgain, overallで有意に長かった. 組織像ではsubgroup1は固有筋層浸潤癌がsubgroup3ではLGAが多かった. IMA, HGAでは有意差はみなかった.
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