2018 Fiscal Year Research-status Report
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫の発生機構および臨床病理学的特徴の解明
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18K15104
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 啓 愛知医科大学, 医学部, 助教 (40732699)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫 / Epstein-Barr virus / メトトレキサート / 若年発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)は濾胞ヘルパーT細胞(Tfh)由来の成熟T細胞腫瘍であり、予後不良な疾患である。近年、次世代シークエンサー等を用いた解析により、AITLの遺伝子変異(TET2、RHOA、DNMT3A等)が明らかになり、それによる多段階発がんモデルが提唱されている。我々はAITL及びその前駆病変であるT-zone dysplasia(TZD)の臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにすることを目的としている。 本研究を進めるためにAITL症例を約300例収集した際に、メトトレキサート(MTX)使用中の患者に発生するAITL症例があることを発見した。MTX使用中にT細胞性リンパ増殖性疾患(LPD)が発生することは極めて稀であり、研究対象になると考えられた。そこでMTX関連T細胞性LPD症例を28例収集し、臨床病理学的解析を行い、国際学会発表(USCAP 2019)、論文発表(Modern pathol. 2019 Apr 5[Epub ahead of print])を行った。MTX関連T細胞性LPDで一番多い組織型はAITLであり、またMTX中止により病変退縮が期待できることを明らかにした。 またAITLのうち60歳以下に発生する若年性AITLでは背景にEpstein-Barr virus(EBV)陽性細胞を有する症例の方が有意に予後良好であることを見出し、予後予測に有用であることが示唆された。この結果の詳細については現在論文投稿中である。 この様にAITLに関する臨床病理学的解析は進んでいる。平行して現在、AITLおよびTZDの分子生物学的特徴を明らかにすべく、次世代シークエンサーを使った解析を行うための準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに我々はメトトレキサート使用中患者に発生するAITLおよび若年者に発生するAITLの臨床病理学的特徴を明らかにした。前者に関しては国際発表、論文発表を行い、後者は論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はさらに、AITLおよびTZDの分子生物学的特徴を明らかにすべく、次世代シークエンサーを使った解析を行うための準備を進めている。現在、ターゲットシークエンスを行うのに適した症例を選択中であり、準備が出来次第シークエンシングを行い、データ解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
支出のうち大きな割合を占めるのは次世代シークエンシングを用いたターゲットシークエンスである。初年度にそれにかかる費用を支払う予定であったが、研究代表者が留学中ということもあり、次年度に帰国後にターゲットシークエンスを行うことになったためである。
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[Journal Article] Methotrexate-associated lymphoproliferative disorders of T-cell phenotype: clinicopathological analysis of 28 cases.2019
Author(s)
Satou A, Tabata T, Miyoshi H, Kohno K, Suzuki Y, Yamashita D, Shimada K, Kawasaki T, Sato Y, Yoshino T, Ohshima K, Takahara T, Tsuzuki T, Nakamura S
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Journal Title
Modern Pathology
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] EBV-positive mucocutaneous ulcer arising in rheumatoid arthritis patients treated with methotrexate: Single center series of nine cases.2019
Author(s)
Satou A, Banno S, Hanamura I, Takahashi E, Takahara T, Nobata H, Katsuno T, Takami A, Ito Y, Ueda R, Nakamura S, Tsuzuki T
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Journal Title
Pathology International
Volume: 69(1)
Pages: 21-28
DOI
Peer Reviewed
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