2020 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic characterization of unclassifiable non-small round cell sarcomas
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18K15108
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
吉田 朗彦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (80574780)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肉腫 / 病理診断 / 分類不能 / 融合遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
①EWSR1-NFATC2融合遺伝子を有する肉腫と間葉性軟骨肉腫において、免疫組織化学的にNKX3.1が高率に陽性となることを発見し、円形細胞肉腫における特異性も高いことから、診断の難しいこれらの肉腫において、NKX3.1が有用な診断マーカーとなりうることを示した。NKX3.1の発現はRT-PCRやRNA in situ hybridizationでも確認した ②若年成人女性の縦隔に発生したSS18-SSX2融合遺伝子陽性の滑膜肉腫2例において、予期せぬBRAF(V600E)変異を検出したため、その臨床病理学的特徴について解析した。うち1例ではBRAF阻害剤により腫瘍の縮小が得られており、稀ではあるもの治療上大きな意義のあるサブセットと考えられた。③成人縦隔発生の分類不能間葉系腫瘍2例において、RREB1-MRTFB 融合遺伝子を検出し、同じ融合遺伝子を有する舌の外間葉性軟骨粘液性腫瘍との関係について考察した。④乳腺の組織球腫症3例においてKIF5B-ALK融合遺伝子を検出し、近年提唱されているALK陽性組織球腫症に相当する病態と考え、それらの臨床病理学的特徴を解析した。⑤これまで反応性と考えられてきた増殖性筋膜炎・増殖性筋炎において、FOS-VIMをはじめとするFOS遺伝子の再構成が存在することを発見し、この病態が腫瘍性であることを示唆した。またFOS遺伝子再構成に伴い、c-FOS蛋白高発現が生じるため、その免疫染色が病理診断に有用であることも明らかにした。⑥WWTR1-CAMTA1やYAP1-TFE3といった融合遺伝子に特徴づけられる類上皮血管内皮腫62例の臨床病理学的解析を通して、組織学的異型性と腫瘍サイズに基づくリスク分類法を開発し、同時にsynaptophysin免疫染色陽性の悪性度の高い一群があることを示した。
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