2020 Fiscal Year Annual Research Report
T cell-induced autoinflammatory diseases
Project/Area Number |
18K15118
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 克博 京都大学, 医学研究科, 講師 (70739862)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自己免疫 / 自己炎症 / T細胞 / LUBAC / 制御性T細胞 / 細胞死 / 炎症 / TNF |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、ユビキチンリガーゼ複合体LUBACの全身機能低下を示すマウスでは、獲得免疫を介した自己免疫性及び自然免疫を介した自己炎症性の2つの異なる病因から慢性的な皮膚炎を発症する可能性が強く示唆されており、また新たにT細胞の細胞障害機能を介した自己炎症(見かけ上T細胞非依存的であり、かつ自然免疫主体の炎症症状)の存在が示された。 自己炎症性皮膚炎を誘発するT細胞の免疫学的表現型を確定するため、上記T細胞をさらに詳細に解析した。これら皮膚内に浸潤する病原性T細胞は皮膚局在性のgdT細胞と比較して僅かに増加しており、通常皮膚に局在するメモリーT細胞 (resident memory T cell; CD103+ CD69+ CD62L-) と同様の表現型を示すことを新たに発見した。この結果は、病原性T細胞が皮膚組織内にある一定期間以上組織に留まり、組織環境に順応した結果であることが想定されるため、T細胞がTNFを介して皮膚構成細胞の細胞死を引き起こす為には、局所的なT細胞の蓄積・密度の上昇や標的細胞との一定時間の安定した細胞間相互作用が必要なのかもしれない。本研究では皮膚特異的なLUBAC機能低下マウスが典型的自己炎症性皮膚炎モデルマウスと提唱しており、このマウスの病態形成におけるT細胞の役割を別途解析した。RAG2-KOマウスと交配し、リンパ球を欠落した当該マウスを作製すると皮膚炎がさらに増悪化する現象が認められており、自然免疫主体の炎症機序にリンパ球を介した抑制機構の存在が確認された。
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