2018 Fiscal Year Research-status Report
癌におけるRNA修飾異常の解明とエピトランスクリプトーム治療の開発
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18K15123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 浩太郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80726787)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年はCRISPR-Cas9技術と修飾オリゴDNAを組み合わせて様々な条件検討を行った結果、癌で認められているRNAメチル化修飾酵素の遺伝子変異をノックインした細胞を、複数の細胞株種で高効率で樹立することに成功した。樹立された細胞株を用いて、RNA修飾の状態について次世代シークエンサーを用いて解析を行い、得られたFASTQファイルをバイオインフォマティクス技術を用いて詳細に検討したところ、驚くべきことに「RNAメチル化修飾酵素の変異のノックイン」と「同酵素のノックダウン」は異なる現象が起きていることを見出した。先行論文では「RNAメチル化修飾酵素の変異体の過剰発現」と「同酵素のノックダウン」は同じ現象が起きると考えられていたため、「RNAメチル化修飾酵素の変異のノックイン」と「同酵素のノックダウン」で異なる現象が起きるという我々の結果は意外なものであった。そもそも遺伝子の変異の機能解析を行う場合には、これまでは過剰発現システムを用いることが一般的であった。我々の結果は、癌における遺伝子変異の評価を行う細胞モデルとしては従来の過剰発現系では限界があることを示しており、コストや手間はかかってしまうものの遺伝子変異のノックイン細胞を用いるという戦略のアドバンテージを示している可能性があると考えられた。来年度は樹立された細胞株を用いて、引き続きRNA修飾の状態やその影響について詳細に検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
材料としてのノックイン細胞株の樹立に成功している。また、次世代シークエンサーを用いた解析にも予定通り成功している.
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Strategy for Future Research Activity |
RNA修飾の状態について引き続き次世代シークエンサーを用いて詳細に検討を行う。ノックイン細胞を用いたゼノグラフトモデルも樹立する予定である。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンサーを用いた検討を本年は立ち上げた年であったので、用いたサンプルが少数であったために次年度使用額が生じた。今年は多くのサンプル数で検討を行うため、昨年度分も含めて使用する予定えある。
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