2019 Fiscal Year Annual Research Report
TLR9 is a novel therapeutic target for allergic asthma
Project/Area Number |
18K15133
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
村上 祐輔 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (50757325)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Toll-Like Receptor / Allergic asthma |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性喘息は、ダニ由来成分を主なアレルゲンとし呼吸困難を起こす疾患である。アレルギー性喘息の病態を、さらに解明するために、Toll様受容体9(TLR9)に注目した。TLR9は、通常、病原体由来の一本鎖DNAを認識して生体防御反応に寄与している。一方で、炎症で放出される自己由来のDNAにも応答して炎症を増悪することが報告されている。さらにアレルギー性喘息患者の肺胞洗浄液(BALF)に含まれるDNA量は、対照群のBALF中より増加し、喘息の悪性度と正に相関することが報告された。これらのDNAがTLR9応答を介して病態に関わるのではないかと予想をし、まず、TLR9ノックアウト(KO)マウスの病態を解析した。TLR9KOマウスではBALFの好酸球数が有意に減少していた。さらに、肺におけるⅡ型サイトカインの mRNA量もKOマウスで減少していた。興味深いことに、IL-17AのmRNA量は、KOマウスで有意に増加していた。そこで、IL-17Aがダニアレルギー性喘息に与える影響を検証した。ダニアレルギー性喘息を誘導した野生型マウスに、IL-17Aを投与した。対照群と比較して、IL-17A投与群は、有意に病態が抑制された。次に、IL-17Aを調節する因子を探索した。IL-17Aが、TLR9KOマウスで過剰に産生されることに着目して、負の制御因子として報告がある、IL-2について検討した。TLR9KOマウスでは、喘息誘導後の肺のIL-2 mRNAは有意に減少していた。抗マウスTLR9阻害抗体でも同様の結果を得た。したがって、TLR9-IL-2経路は、通常、IL-17Aの過剰産生を抑えることで、Th2の活性化を促進し、アレルギー性喘息病態に寄与していることが示唆された。以上の結果は、アレルギー性喘息の新たな発症メカニズムを明らかにするとともに、新規治療法の開発につながる可能性がある。
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