2020 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of pathogenicity through RNA degradation and processing by ribonuclease
Project/Area Number |
18K15143
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
尾花 望 筑波大学, 医学医療系, 助教 (00722688)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リボヌクレアーゼ / バイオフィルム / バイオフィルムマトリクス / 温度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではクロストリジウム属細菌におけるRNA切断・分解を介した病原性因子の制御機構の詳細を明らかにする。ウェルシュ菌において主要なリボヌクレアーゼ(RNaseY)はRNAの切断・分解を介して付着活性やバイオフィルム形成、毒素遺伝子発現に重要な役割を担っている(Obana et al. 2017)。 これまでに代表者はクロストリジウム属の一種であるウェルシュ菌において宿主の内外を感知する感染シグナルの一つである温度変化(25°C:宿主外→37°C:宿主内)に応答して、バイオフィルムマトリクス産生が変化し、その結果バイオフィルムの形態が大きく変化することを見出した。25°Cで形成される膜状バイオフィルムの細胞外マトリクスの主要構成成分である細胞外タンパク質(BsaA)を同定した。本タンパク質は細胞外で多量体を形成し、繊維状構造を形成することでバイオフィルムマトリクスとして機能していることが明らかとなった。BsaAタンパク質の多量体形成は界面活性剤や強酸に耐性であり、非常に強固な構造を有していることが示唆された。また、bsaA遺伝子発現は細菌細胞集団中で不均一に発現していること、またその発現の不均一性がRNase Yによって制御されていることを見出した。これらの成果をまとめ、学術論文として発表した(Obana et al. 2020. npj Biofilms and Microbiomes)。
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Research Products
(8 results)