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2018 Fiscal Year Research-status Report

Study on relationship between changes in biofilm formation and pathogenicity in Aeromonas spp.

Research Project

Project/Area Number 18K15153
Research InstitutionHiroshima International University

Principal Investigator

清家 総史  広島国際大学, 薬学部, 助教 (90806275)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
KeywordsAeromonas / バイオフィルム / 腸管
Outline of Annual Research Achievements

Aeromonasは河川や汽水域に広く棲息するグラム陰性桿菌で,食中毒起因菌に指定されている.しかし,癌や肝硬変などを基礎疾患にもつ患者において,四肢の壊死を伴う劇症型感染症例も多く報告されている.このような劇症型感染症の治療法は確立されておらず予後も不良となるケースが多い.本研究課題では,宿主環境が本菌感染症の重症化に大きく関与することに着目し,菌の腸管内への定着から腸管外への進展(劇症化)における宿主因子の影響について検討した.
菌が組織に定着する際に様々な宿主因子の影響を受けることが予想されるため,先ずは研究室が保有する複数の細胞株の培養上清をそれぞれ菌に作用させ,本菌のbiofilm形成能を測定した.その結果,本菌のbiofilm形成は抑制され,さらにその作用強度は細胞種によって異なることが判明した.そこで, biofilm形成抑制作用が最も強かった腸管細胞の培養上清を分画し,解析した結果,biofilm形成抑制因子はタンパク質である可能性が示唆された.そして,biofilm形成抑制因子と推定されるタンパク質を選定し,そのリコンビナントタンパク質を菌に作用させ,biofilm形成能を測定した.その結果,強いbiofilm形成抑制作用が認められた.さらに,推定したタンパク質が各種細胞株から培養上清中に遊離される量は,各種細胞株の培養上清によるbiofilm形成抑制作用と一致し,両者で相関性が認められた.
以上の結果より,Aeromonasが腸管感染時に,タンパク性のbiofilm形成抑制因子が宿主細胞から遊離され,本菌のbiofilm形成を抑制している可能性が示唆された.推定されるタンパク質がどのようなメカニズムでbiofilm形成を抑制しているかは現在検討を行っている.これらの結果を考慮して,Aeromonas感染症の重症化メカニズムや新規治療法の確立を目指す.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本菌の定着過程(biofilm形成)に対する宿主因子の影響を解析するため,先ずはbiofilm形成に影響与える宿主因子の同定を目指し検討を行って来た.次は,同定された因子の作用メカニズムや,それら因子の有無による菌の細胞への接着や細胞毒性の検討を行い,この現象が劇症化においてどのような役割を持つのか検討をさらに進める予定である.

Strategy for Future Research Activity

Biofilm形成が抑制された後は,遊離した菌が腸管組織浸潤へと進行することが想定される.この仮説に基づき,本年度は宿主によるbiofilmの形成抑制と本菌による腸管バリア破壊作用との関係性を詳細に解析する.この解析により,biofilm形成抑制と組織浸潤の関係を明らかにする.今後の検討は以下の方針に従い遂行する.
1) Aeromonasは,培養時に菌密度が高いほど外毒素産生能が亢進するとの報告がある.そこで,biofilm形成時,非形成時における外毒素産生量の差異を解析するため,同定したbiofilm形成抑制因子のノックダウン細胞株とintactの細胞株を使用し,biofilm形成の有無による本菌の外毒素の産生量の変化を解析する.
2) Biofilm形成抑制と菌による腸管組織浸潤との関係性を明らかにするため,申請者グループによる研究により見出されているAeromonasが産生するASP(セリンプロテアーゼ)が腸管バリアを破壊することを見出している.そこで,biofilm形成抑制因子のノックダウン細胞株と本菌とを共培養し,本菌の透過作用や腸管上皮バリア破壊作用を解析し,biofilm形成の抑制と菌による組織浸潤との関係を明らかにする.宿主細胞の上皮バリア分子の挙動も分子レベルで解析する.

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Clostridium perfringens α-toxin impairs granulocyte colony-stimulating factor receptor-mediated granulocyte production while triggering septic shock2019

    • Author(s)
      Takehara Masaya、Seike Soshi、Sonobe Yuuta、Bandou Hiroto、Yokoyama Saki、Takagishi Teruhisa、Miyamoto Kazuaki、Kobayashi Keiko、Nagahama Masahiro
    • Journal Title

      Communications Biology

      Volume: 2 Pages: 1-12

    • DOI

      10.1038/s42003-019-0280-2

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Aeromonasの接着過程における宿主由来因子の影響2019

    • Author(s)
      清家総史,小林秀丈,上田充展,髙橋栄造,岡本敬の介,山中浩泰
    • Organizer
      日本薬学会 第139年会
  • [Presentation] 組織侵襲性Aeromonasによる腸管上皮細胞バリア破壊機構の 解析2019

    • Author(s)
      上田充展,小林秀丈,清家総史,髙橋栄造,岡本敬の介,山中浩泰
    • Organizer
      日本薬学会 第139年会
  • [Presentation] Aeromonasの接着に影響を与える宿主因子の探索2018

    • Author(s)
      清家総史,小林秀丈,髙橋栄造,岡本敬の介,山中浩泰
    • Organizer
      第71回日本細菌学会総会 中国・四国支部総会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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