2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a technological basis for elucidating the significance of glycosylation alterations in viral infection
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18K15176
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日尾野 隆大 北海道大学, 獣医学研究院, 講師 (00775819)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ウイルス糖タンパク質 / 糖鎖 / レクチンマイクロアレイ / グライコプロテオミクス / グライコフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度にCOVID-19の発生及びSARS-CoV-2の出現に伴って、緊急的に実験計画を変更し、SARS-CoV-2のSタンパク質に付加する糖鎖の解析に取り組んだ。本年は2021年度にCOVID-19の影響で行うことができなかった成果の発信として、関連学会(インフルエンザ研究者交流の会シンポジウム、日本ウイルス学会学術集会および日本獣医学会学術集会、すべてオンラインで開催)での口頭発表を行った。また、新たにSARS-CoV-2のVariant of concern変異株1株について、Sタンパク質についてレクチンアレイ法と液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)を組み合わせた糖鎖分析を実施した。その結果、すでに解析済みの武漢型株と比較して、Sタンパク質に付加する糖鎖の末端構造に一部傾向の違いが認められた。そこで、武漢型株と変異株が感染した細胞では糖鎖合成機構にどのような変化が生じているか比較解析するため、現在、ウイルス感染細胞における糖転移酵素遺伝子の発現解析を実施している。当該末端糖鎖構造の合成に関与する、多数ある糖鎖関連遺伝子の中から、ターゲットとする遺伝子を絞り込むために、公的なデータベースにデポジットされているRNAseqのデータを二次解析し、SARS-CoV-2の感染によって変動が認められる糖転移酵素遺伝子をリスト化した。予備的な検討から、これらの遺伝子を検出する定量PCRの系の確立までは完了しているが、微量な糖転移酵素遺伝子mRNAを定量的に解析するプロトコルの確率に難航している。遺伝子定量が完了し次第、成果を論文としてまとめていく予定である。
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