2019 Fiscal Year Research-status Report
HTLV-1持続感染霊長類の確立と免疫制御による病態変化に関する研究
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18K15177
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
浦野 恵美子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター, 研究員 (40794988)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HTLV-1 / 霊長類モデル / 成人T細胞白血病(ATL) / HTLV-1関連脊髄症(HAM) / 免疫制御 / 病態変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国ではヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染者数は未だに多く、100万人以上と推定される。その約5%が悪性の成人T細胞白血病(ATL)やHTLV-1関連脊髄症(HAM)を発症するリスクを背負っているが、その発症機序に関しては不明な点が多い。適切な動物モデルを用いることにより宿主免疫制御による病態の変化を導き、生体内における持続感染と病態および発病に至る解明が可能となる。しかしながら、HTLV-1感染霊長類は報告はあるものの、感染確率の低さからモデル動物として確立されていなかった。そこで、本研究ではHTLV-1感染霊長類モデル確立に向け、HTLV-1感染カニクイザルの解析を基盤研究とし、HTLV-1感染カニクイザル生体内における持続感染・発症に寄与するファクターの解明を目指し、免疫制御因子による病態変化への影響を明らかにすることを目的としている。 昨年度は、感染に用いる細胞種、細胞数を比較検討し、長期に末梢血よりプロウイルスDNAが検出され抗体価が維持される条件を見出し、HTLV-1感染カニクイザルモデルの確立に成功した。本年度はこのHTLV-1持続感染カニクイザルを用いて、免疫制御によるウイルス動態の変化を解析した。抗CD8抗体をHTLV-1持続感染カニクイザルに投与し、CD8陽性T細胞の枯渇実験を行なったところ、一過性にプロウイルス量および抗HTLV-1抗体価の上昇が観察され、持続感染時のウイルスコントロールにCD8陽性T細胞の寄与が確認された。現在、持続感染カニクイザルおけるCD8細胞枯渇によるウイルス増殖への寄与、病態変化、および感染細胞について詳細な解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HTLV-1感染カニクイザルモデルを確立し、生体内における免疫制御によるウイルス動体の変化・病態変化について、持続感染カニクイザルを用いて解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
生体内における病態変化や発症メカニズム解明を目指し、持続感染時における免疫制御の解析に加え、感染時においても同様に検討し、免疫抑制状態が感染初期のウイルス動態およびその後の病態に与える影響を解析する。
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Causes of Carryover |
免疫制御によるHTLV-1持続感染カニクイザルにおけるウイルス動態・病態への詳細な解析および感染時の免疫調節による影響を解析するため、研究費を繰り越している。
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Research Products
(1 results)