2018 Fiscal Year Research-status Report
形質細胞様樹状細胞による経口免疫寛容成立の制御機構の解明
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18K15194
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高木 秀明 宮崎大学, 医学部, 助教 (10719628)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 形質細胞様樹状細胞 / 腸管免疫 / 経口免疫寛容 |
Outline of Annual Research Achievements |
形質細胞様樹状細胞(pDCs)はToll様受容体 (TLR)7とTLR9のみを高発現し、多量のI型IFNを産生する免疫細胞である。現在までにpDCsがウイルス感染防御免疫応答の惹起やI型IFN関連自己免疫疾患の発症に重要な役割を担うことが明らかになりつつある。本研究課題の目的はこれまでに不明であった『腸管での免疫学的恒常性維持における“pDCs機能”の意義』に着目し、腸管免疫組織pDCsの性状特性および経口免疫寛容成立における役割を明らかにすることであり、平成30年度ではマウス腸管膜リンパ節(MLN)pDCsの機能特性の解明を試みた。具体的には、脾臓(Spl)pDCsとの間で以下の比較検討を行った。 1.細胞表面分子の発現について解析を行った結果、MLN pDCsではSpl pDCsと比較してT細胞の活性化に必要なCD40, 80, 86などの補助刺激分子の発現が低下していた。 2. TLRリガンド刺激、あるいはTGF-β刺激によるTGF-βの産生について解析を行った結果、SplおよびMLN pDCsともにTGF-β刺激によるTGF-βの産生が認められたが、TLRリガンド刺激では認められなかった。 3.レチノイン酸合成酵素であるRALDH2の遺伝子発現、及びALDH活性について解析を行った結果、MLN pDCsではSpl pDCsと比較してRALDH2の遺伝子発現およびALDH活性が共に高かった。 4. 抗原特異的Foxp3+CD4+制御性T(Treg)細胞の誘導能について解析を行った結果、MLN pDCsではSpl pDCs に比べてFoxp3EGFP+Treg細胞の生成が増強していた。 以上の結果から腸管免疫組織pDCsはSpl pDCsと比較してより高い免疫抑制性の表現型、ならびにFoxp3EGFP+Treg細胞の誘導能を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に立案した項目を遂行し、おおむね想定通りの結果を得られることができた。特に変更点もなく順調に推移している為、今後の研究の遂行に問題はないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に従い、研究を遂行していく。 本年度以降は前年度に得られたin vitroの知見を元に、生体内における腸管免疫組織pDCsの役割を中心に解析を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)