2019 Fiscal Year Research-status Report
悪性グリオーマに対するケモタキシスを応用した細胞誘殺療法の研究
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18K15203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
茂木 洋晃 北海道大学, 大学病院, 助教 (40748844)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ケモカイン / CXCR4 / glioblastoma / 浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究において中心的な役割を果たすであろうケモカインレセプターに関して、TCGAデータベースを用いて調査を開始した。170例に及ぶ症例のCXCR4の発現を確認した。 また、自施設の腫瘍献体を用いて免疫染色を行い、CXCR4の発現が多くの症例で認められることを確認している。こちらも100例以上でのCXCR4発現を確認していく予定である。同時に重要なレセプターと考えられるCXCR7に関してもタンパク発現を確認していく予定であり、条件を確認中である。 一方でF98悪性グリオーマ細胞株を用いて浸潤アッセイの条件を整えた。具体的には、4回継代した後、GFPでの蛍光観察を可能にするためにLumini Cell Trackingを用いて処理し、安定して観察可能な条件を整えた。7日間以上に渡って蛍光での観察が可能であり、3週間程度まで観察可能な事を確認した後に、in vivo実験にて腫瘍移植を行い、ケモカインへの反応を見ていく予定である。 in vitro実験のメインである悪性グリオーマ細胞のケモタキシス反応性は、条件を振っている最中であり、残念ながらまだ提示すべき結果は出ていない。具体的には、無血清培地に播種したF98細胞が10%FBS,20%FBS含有培地に遊走する様子をタイムラプスにてリアルタイムに分析評価すべく実験を行っているが、実験方法の確立には至っていない。リアルタイムでの観察が難しいと判断された場合には、根本的な実験方法の見直しが必要となる。 in vivo実験への準備を進めているが、COVID-19禍もあり、遅れている状態である。研究許可が下り次第、vitroと並行して動物実験を開始予定である。脳スライス切片モデルの作成には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
病院間提携事業の一環として2018年度の半年間のインド、バンガロール、SAKRA WORLD HOSPITALへの出向 COVID-19関連への対応と出張の制限による研究の遅れが発生している。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床業務を自主的に制限し、in vitroと並行して動物実験を開始する。 COVID-19禍が落ち着いた時点で、研究手法の見学など他の研究室への助言を求める。
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Causes of Carryover |
臨床業務が大幅に増えたため、本研究にかける時間が不足した。そのため2019年度における研究費の一部を2020年度へ使用することとした。使用計画としては、2020年度はタイムラプス動画を中心に膨大なデータを処理する必要があるため、データ処理・分析に使用するラップトップの購入に充填する。また、COVID-19禍が落ち着いた場合には、実験を進めるべく、他の研究室への見学等を行う事も想定している。
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