2019 Fiscal Year Annual Research Report
Optimization for establishment of Patient derived xenograft model
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18K15216
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
刈谷 龍昇 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 特任助教 (40757663)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 患者腫瘍組織移植モデル / 薬効試験 / 動物モデル / 免疫不全マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、患者腫瘍組織移植モデル(Patient derived xenograft model: PDX model)が開発され、がん患者の病態を忠実に再現したモデルであると注目されている。しかし腫瘍によって樹立成功率が低く、非常に難しい技術である。我々は独自で開発した超免疫不全マウスを用い、患者腫瘍組織移植モデルの効率的な作製法の検討を行った。 令和元年度は、免疫不全度が極めて高いNOD/SCID Jak3 KO (NOJ) マウスと、免疫不全度はNOJマウスに比べて劣るが、様々なストレスに耐性であるBalb/c Rag2/Jak3 二重欠損マウス(BRJマウス)で、PDXモデルの作製効率に差があるか比較した。研究開始前は免疫不全度が高いNOJマウスの方が、BRJマウスに比べPDXモデルマウスの樹立効率が高いと予想していたが、生着まで時間のかからない腫瘍(3カ月以内に腫瘍が生着する腫瘍)に関しては、樹立効率に差はなかった。PDXモデル樹立には大量の免疫不全マウスが必要である。BRJマウスは繁殖が容易な為PDXモデル樹立に必要な数のマウスの準備が容易である。また、BRJマウスは放射線や抗がん剤など様々なストレスに耐性であり、放射線療法や抗がん剤の薬効評価に使用しやすいマウスである。本研究の結果よりBRJマウスを用いれば安価にPDXモデルが樹立可能であることが示唆された。また、抗がん剤のスクリーニングを、いきなりPDXモデルマウスから始めるのは非常にコストがかかる。したがってPDXモデルマウスから腫瘍細胞株を作製する事は非常に重要な事である。令和元年度末までに37症例の口腔がん患者腫瘍組織をBRJマウスに移植し、24症例のPDXモデルを樹立、4症例のPDX由来腫瘍細胞株の樹立を完了させた。本研究で樹立したPDX由来腫瘍細胞株は抗がん剤の安価なスクリーニングに利用可能である。
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Research Products
(3 results)