2018 Fiscal Year Research-status Report
膵癌における免疫チェックポイント阻害療法効果予測因子の検索
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18K15219
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田上 聖徳 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (50721031)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵臓癌 / 免疫チェックポイント分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消化器癌でも実臨床で用いられている免疫チェックポイント阻害療法において、膵癌で効果が期待できる症例を選別する効果予測のためのバイオマーカーの検索を目的としている。 免疫チェックポイント分子は、PD-1、CTLA4をはじめ、Tim-3やLAG3など、さらに現在新たに報告されているものを含めると、数多くの分子が存在している。我々はまず、in vivo, in vitroで膵癌モデルを作成して免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療効果を検討する前に、実際の臨床検体で、癌細胞側のこれらの分子に対するligandの発現を検討し、さらに腫瘍浸潤リンパ球(TIL)での免疫チェックポイント分子の発現を検討することで、それぞれの免疫チェックポイント経路が実際に膵癌で効果が期待できるかどうかを予測し、膵癌モデルでの治療実験を行うこととした。 当科で膵癌に対して手術施行した症例のうち、術前に化学療法や放射線療法などの加療が行われていない症例で検討を行っている。実際に腫瘍側のligandの発現を見てみると、現在広く使用されている免疫チェックポイント阻害療法のligandの発現は、多くの膵癌症例で少なく、現在臨床で膵癌に対するこの治療の効果が思うように得られていない原因の一つとなるのではないかと考えられた。しかし、他の分子においてはligandの発現を強く認める物もあり、それらの発現と、症例の予後との関連についても、まだ検討は不十分であるが、相関することが予測された。今後は同じ症例で腫瘍浸潤リンパ球(TIL)での免疫チェックポイント分子の発現を検討し、免疫チェックポイントのどの経路が効果期待できるか、詳細な検討を行って、膵癌モデルでの実験を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究での最終目的は臨床で有用なバイオマーカーの検索であるため、臨床検体、予後も含めた症例のデータが非常に重要である。申請者は消化器外科所属であり、検討に必要な膵癌の手術標本や症例のデータについては、常に利用可能であり、本年度の研究は順調に進展している。 また、今後のin vitro, in vivoでの実験に関しても、当教室では膵癌の基礎研究を継続して行っており、次年度も問題なく、遂行可能と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目標は、臨床で有用な正確な膵癌における免疫チェックポイント阻害療法の効果予測因子を同定することである。本年度は、臨床検体における免疫チェックポイント経路の分子の発現について検討行っており、今後は、この結果を基にin vitro, in vivoでの膵癌モデルの作成。そのモデルで免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療効果を検討し、癌細胞とT細胞の遺伝子発現プロファイル作成を次年度の目標とする。作成したモデルにおける治療奏功や耐性に関連する遺伝子を同定し、効果予測因子となり得るバイオマーカーを決定する。最終的に手術切除膵癌検体、患者血清を用いて、同定した分子が有用であるか検討を行う。
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Research Products
(9 results)