2018 Fiscal Year Research-status Report
正常Bリンパ球由来iPS細胞を用いた多発性骨髄腫の発生機序の解明
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18K15221
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
柳 亜希 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60803525)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | B細胞分化 / iPS細胞 / 造血前駆細胞 / 染色体転座 |
Outline of Annual Research Achievements |
B細胞への分化実験には多量のCD34陽性造血前駆細胞(HPC)が必要なため、iPS細胞をin vitroでHPCへと分化させるプロトコルを改良し、共培養に使用するストローマ細胞の変更などにより分化効率の改善を進めた。また、得られたHPCの分化能を検証するため、免疫不全マウスへ移植し、B細胞などの血液細胞へと分化するか検証を行った。 CRISPR/Cas9システムにより染色体転座t(11;14)を持つB細胞由来iPS細胞(BiPSC)を樹立し、転座点付近の配列を解析した。また、in vitroでCD34陽性のHPCへと分化できることを確認した。 p53欠損BiPSCのp53発現を解析し、またin vitroでCD34陽性のHPCへと分化できることを確認した。 加えて、B細胞への分化実験を効率よく行うため、造血支持細胞MS-5を用いたHPCのin vitroでのB細胞への分化プロトコルの検証を開始した。 以上のように、平成30年度にはiPS細胞株の樹立、HPCへの分化、分化条件の検討を中心に研究を進め、よい結果を得ることができた。したがって、今年度は実験を次の段階へと進め、HPCへの分化能が確認できた染色体転座やp53欠損のiPS細胞株を用いてB細胞への分化実験を行い、本研究課題の中心である異常B細胞の起源の解明を目指す予定である。また、平行して申請書に記載したその他のアプローチについても進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロトコルの改善などにより多少計画の変更はあったものの、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はB細胞への分化実験を中心に研究を進める予定である。我々のプロトコルで分化させたHPCのB細胞への分化能は未検証のため、B細胞への分化に失敗したときに備えてHPCのRNAなどを解析して分化状態のより詳細な解析も平行して行う予定である。
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Research Products
(2 results)