2018 Fiscal Year Research-status Report
低異型度腫瘍から発生する胃癌における、悪性化ドライバー変異の同定と層別化への応用
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18K15229
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
六反 啓文 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 特任研究員 (00782559)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | dysplasia / ドライバー変異 / 悪性化 / 胃腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃の異形成(dysplasia)/上皮内腫瘍(intraepithelial neoplasia)については、比較対照とした(:悪性counterpartとしての)胃の分化型粘膜内癌を含めると、40例以上となるコホートのシークエンス解析が完了し、論文を発表することができた。その中で、悪性度の決定に重要な役割を果たす体細胞変異(APC, TP53)が高頻度に且つほぼ相互排他的に起こっていることを解明し、一定の成果が得られた。Multi-regionシークエンスに適した症例数の確保には難渋したが、進行胃癌において特定のドライバー変異と共存する変異のデータベースを参照することで、候補となる変異蓄積過程を挙げることができた。これをもとに、低異型度腫瘍からの進展に関わる可能性の高い遺伝子変異との照合も今後進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃の異形成(dysplasia)/上皮内腫瘍(intraepithelial neoplasia)については、比較対照とした分化型粘膜内癌を含めると、40例以上となるコホートのシークエンス解析が完了し、論文を発表することができた。Multi-regionシークエンスに適した症例数の確保には難渋したが、in silico解析から、候補となる変異蓄積過程を挙げられている。
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Strategy for Future Research Activity |
胃の低異型度腫瘍に幾つかあるentityのうち追求する価値の高いものを2018年度で絞り込むことができた。それを受け、2019年度(最終年度)は絞り込んだentityの症例数を増やし、ターゲットDNAシークエンスを柱としたゲノム病理学的解析を進める予定である。また、低異型度腫瘍に特徴的なドライバー変異であるAPC体細胞変異の代替マーカー(免疫染色)の確立も今後目指していく。2018年度までで解明しえた内容については学会等での意見交換も行い、臨床的に意義のある研究の広げ方を見極める。
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Causes of Carryover |
2018年度でシークエンスしえた対象症例が当初の計画よりも減少したため,シークエンス関連試薬の費用が少なく計上された.2019年度の予算にはシークエンス関連試薬を含めていなかったため,今回生じた差額については,2019年度のシークエンス関連試薬代として,もしくは代替マーカー探索及び検証の費用に充てる予定である.
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