2019 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic events relevant to cancerous progression from gastric adenoma or neoplasia with low-grade atypia
Project/Area Number |
18K15229
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
六反 啓文 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00782559)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胃腫瘍 / ドライバー変異 / APC / ARID2 / 悪性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究により、低異型度腫瘍を含む胃の分化型上皮内腫瘍が浸潤成分を持ち悪性化(癌化)していくか否かは、病変に初期に入る体細胞変異(APC, TP53)により概ね規定されている可能性が高いことを解明していた。そのため、日常病理診断へのインパクトを鑑みると、APC変異やTP53変異の有無と相関する病理学的因子あるいは簡便に施行できる免疫染色のマーカー(ないしマーカー群)を特定することの重要度が高いと分かった。また、APCとARID2の双方に体細胞変異が入る現象はlow-grade adenomaで多くみられる一方、進行胃癌では稀であることから、これらが悪性化(癌化)しにくい変異の組み合わせであることも昨年度までに明らかにしていた。 以上を受け、最終年度(2019年度)には、主要な体細胞変異が判明している症例群を対象として免疫染色を中心とした研究を進めた。APC変異, TP53変異との相関という観点では、検討した免疫染色マーカーの有効性は想定よりも限定的であった。APC変異を持つ進行胃癌を選出し、同一腫瘍内の異なる領域を対象としたmulti-regionシークエンスも行った。また、免疫染色を通して、それぞれの重要な体細胞変異が入るおよその時点を把握することができた。低リスク群の目印となることが期待された遺伝子ARID2については、短縮型変異の有無と一致した免疫染色の系を確立することに難渋した。
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