2020 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration for the mechanism by which metabolic syndrome contributes to the carcinogenesis of non-B non-C hepatocellular carcinoma
Project/Area Number |
18K15239
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
飯田 洋也 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (30733901)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / Proinsulin産生骨髄由来細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝炎ウイルス患者の減少により、ウイルス由来肝癌は減少している。逆に非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) 由来の肝癌は増加している。Proinsulin産生骨髄由来細胞(PI-BMDCs)は、糖尿病患者において肝細胞に発現し、炎症性サイトカインを放出することを我々のグループは見出した。今回、PI-BMDCsの発現がNASH肝癌の予後に与える影響を検討した。2014年4月から2018年12月末までに初回切除を行った肝細胞癌症例のうち、ウイルス、アルコール歴のないNASH由来肝癌34例を用いた。腫瘍部位の免疫染色にてPI-BMDCs positive群(n=19)とPI-BMDCs negative群(n=15)の、術前背景因子、血液検査所見、腫瘍因子、累積生存期間、無再発生存期間を比較検討した。年齢は、positive群が71.1歳、negative群が70.1歳で同等であった。糖尿の有無に関しても、positive群が42.1%、negative群が46.7%で同等であった。腫瘍進行度はStageⅢ、Ⅳが、positive群42.1%、negative群が33.3%で有意差を認めなかった(p=0.728)。また、腫瘍マーカーは、AFP がpositive群6.7ng/ml、negative群12.4 ng/mlで同等であった(p=0.358)。無再発生存期間中央値は、positive群17.9ヶ月に対し、negative群7.9ヶ月と有意にpositive群で良好であった(p=0.034)。累積生存期間は、positive群で良好な傾向であったが、有意差は認めなかった(p=0.07)。以上より、PI-BMDCsは、 NASH由来肝癌の予後を予測する新たなバイオマーカーとなる可能性が示唆された。
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