2018 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍融解アデノウイルスの骨軟部肉腫に対する 放射線感受性増幅効果とそのメカニズム
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18K15242
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
小松原 将 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, がん専門修練医 (60743002)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線感受性 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
・軟部肉腫細胞株に対するOBP-702+放射線の相乗効果に関する検討 HT1080(Fibrosarcoma)以外の軟部肉腫細胞株(SYO-1(Synovial sarcoma)、NMS-2(MPNST))に関しても、コントロール、OBP-702単剤、放射線療法単剤、OBP-702+放射線療法併用の4群でin vitroで加療を行い、併用療法の相加相乗効果の評価を行った。抗腫瘍効果をXTTアッセイ、相加相乗効果をCalcuSyn softwareを用いて解析を行った。結果として、HT1080と同様にOBP-702と放射線を併用することで優れた抗腫瘍効果、相加相乗効果を認めることを確認した。これにより、放射線感受性肉腫細胞、放射線抵抗性肉腫細胞の両方に対して、OBP-702の併用により同様の効果が得られることが確認された。また、別に同様の4群の処理を行った細胞のタンパクを回収し、それぞれのアポトーシス経路やDNA損傷修復過程を中心とした機序におけるターゲットの選定を現在行っており、OBP-702が抗アポトーシス蛋白を抑制することで腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する可能性が確認されている。また、OBP-702を使用することで、腫瘍の浸潤能を抑制する可能性があり、その機序に関してはTGF-βを抑制することが影響しており、OBT-702がTGF-β経路に関与し抗腫瘍効果を示すことが示唆される結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、併用療法による相加相乗効果が得られることは確認されており、さらにその機序に関わると思われるタンパクの発現の解析も進んでおり、一定の結果が得られていると考える
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、現在ターゲットの選定が進んでおり、今後はその機序の確認、さらにはin vivoでもその効果を評価する予定である。現状では、HT1080をin vivoで使用する予定ではあるが、in vitroでの評価でよりターゲットが顕著に発現するものが得られるようであれば、検討候補に食われる予定である
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Causes of Carryover |
本年はin vitroでの実験がメインをなり、既存の試薬でも対応可能であった部分はその試薬を使用し、in vivoでの出費があまりなかったため、次年度で新たな試薬購入、動物実験における費用として使用する予定である
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